「今月も習い事と塾の引き落としがすごい金額で、思わず通帳を二度見してしまいました」——そんな経験、ありませんか?うちも子どもが3人いるので、一時期は毎月の習い事費用だけで10万円近くなっていたことがあります。夫に家計表を見せたら「え、これ全部習い事?」と目を丸くされて、さすがに見直しが必要だと感じました。

でも、ただ「やめなさい」と言えばいいかというと、そうじゃないんですよね。子どもが楽しそうに通っている姿を見ると、なかなか切り出せない。将来のために続けさせてあげたいという気持ちもある。でも家計はじわじわと苦しくなっていく……この板挟みで悩んでいるパパ・ママは、本当に多いと思います。

私自身も試行錯誤を重ねてきた経験から言うと、「費用を抑える」というのは「諦める」こととイコールではありません。少し視点を変えて工夫するだけで、子どもの経験を守りながら家計も無理なく続けられる形に整えることができます。具体的に何をどう変えればいいのか、我が家の実例も交えながらお伝えしていきます。

まず「今の習い事リスト」を棚卸しすることから始める

費用を抑えようと思ったとき、いきなり「どれかやめよう」と考えると、子どもも親も感情的になりやすいです。だからこそ最初にやってほしいのが、現状の「見える化」です。感情を一旦横に置いて、数字とファクトだけを眺める作業をしましょう。

月々いくらかかっているか、書き出してみる

これ、やってみると意外と「こんなに払ってたっけ?」と驚く方が多いです。月謝だけでなく、教材費・発表会や試合の参加費・ユニフォームや道具の買い替え費用・交通費なども含めると、実際にかかっているトータル金額はかなり膨らんでいることがほとんどです。

我が家では一度エクセルで一覧にしたのですが、月謝自体は5,000円でも、年間を通じると発表会の衣装代・練習着・バッグなどで3万円以上かかっていた習い事がありました。月換算にすると実質8,000円以上になっていたんです。「思ったより高かった」と気づけるだけで、次の判断がしやすくなります。

「子どもがどれだけ楽しんでいるか」と「費用」を並べて考える

お金の話と同時に確認してほしいのが、子どもの熱量です。お子さん自身が「もっと上手くなりたい」「絶対続けたい」と思っているかどうかで、同じ金額でもまったく意味が変わってきます。

ポイントは、子どもに直接「やめたい?続けたい?」と聞かないことです。子どもは親の顔色を読んで「続けたい」と言いがちなので、かわりに「習い事の中で一番好きなのはどれ?」「もし一つだけしかできないとしたら何を選ぶ?」という聞き方をしてみてください。本音が引き出しやすくなります。

費用が高くても子どもが本当に熱中している習い事は、できれば続けてあげたい。逆に、惰性で通っているだけの習い事にお金をかけ続けるのは、お金も時間も双方にとってもったいないことです。

「いつか辞めるかも」と思いながら続けているものに注目する

棚卸しをしていると、「まあ続けているけど、正直そろそろ潮時かな」と感じている習い事が必ず一つ二つ出てきます。そこが見直しのヒントです。辞めることへの罪悪感を感じる必要はまったくありません。習い事は「続けた期間の長さ」ではなく、「その時間に何を得たか」が大切ですから。

同じ習い事でも費用が変わる、選び方の工夫

習い事の内容を変えずに、通う場所や形式を見直すだけで費用が大幅に変わることがあります。これは意外と盲点になっている方が多いので、ぜひ確認してみてください。

個人教室・地域の教室を探してみる

大手のスクールや教室は、ブランド力や設備の安心感がある一方で、月謝は高めに設定されていることが多いです。同じピアノを習うにしても、自宅の近くで個人でレッスンをしている先生に習うと、月謝が半額以下になることも珍しくありません。

うちの長女がピアノを習い始めたとき、最初は大手の音楽教室に入れていたので月謝が1万2千円ほどかかっていました。でもご近所の先生に変えたら月8回レッスンで7,000円。しかも少人数なので先生との距離が近く、娘はむしろそちらの方が上達が早かったです。

地域の掲示板・公民館・図書館の掲示コーナー、あるいは地元のSNSグループや子育て支援センターなどで情報を探してみると、リーズナブルな個人教室が見つかることがあります。

公共施設のスクール・市民向けの教室を活用する

市区町村が運営するスポーツ施設や文化センターでは、子ども向けの教室が民間の教室より圧倒的に安く開講されていることがあります。水泳・体操・絵画・茶道・そろばんなど、意外と種類も豊富です。

私の住んでいる地域では、市の体育館で開催されているジュニア体操教室が月3,000円以下で通えます。内容は民間のクラブと遜色なく、むしろ地元の子たちと友達になれる良い場でもありました。自治体の広報誌や公式サイトの「教室・講座」欄は、定期的にチェックしておく価値があります。

回数プランや兄弟割引を確認する

同じ教室に通い続けるのであれば、月謝プランを見直すだけでも節約できます。週2回通うより週1回のプランに変更する、あるいは複数の兄弟が通っている場合に兄弟割引が適用されるかを確認するだけで、年間で数万円変わってくることがあります。

意外と「聞いてみたら割引があった」というケースは多いです。入会時に確認し忘れた方も、一度教室に問い合わせてみることをおすすめします。遠慮なく聞いて大丈夫です。経営側から見ても、長く通い続けてくれる生徒はありがたい存在ですから、誠実に対応してくれる教室がほとんどです。

塾の費用を賢く抑えるための具体的な方法

習い事の中でも、特に中学受験や高校受験に向けた塾は費用が高額になりやすいです。月謝だけでなく、夏期・冬期・春期の講習費用、テキスト代、模試の受験料……積み上げると年間数十万円になることも珍しくありません。塾は費用が大きいぶん、見直しのインパクトも大きいです。

集団授業・映像授業・家庭教師の使い分けを考える

塾には大きく分けて「集団指導」「個別指導」「映像授業」という形式があります。費用の目安は一般的に、映像授業<集団指導<個別指導の順で高くなります。

お子さんの学力や性格によって合う形式は違います。自分でコツコツ進められるタイプなら、映像授業サービス(サブスク型のもの)をうまく活用するのがコスパ良くおすすめです。教科書に準拠したもので月額1,000〜2,000円台のサービスもあり、教材費を含めて考えると集団塾の10分の1以下で済むこともあります。

ただし、映像授業は「わかった気になる」だけで定着しないケースもあるので、親が進捗を一緒に確認してあげる関わりが大切です。完全に子どもに任せてしまうと効果が出にくいことを知っておいてください。

季節講習は「必要な科目だけ」を取る

塾の費用で大きな負担になるのが、夏休みや冬休みの季節講習です。全科目のセットで申し込むと10〜30万円近くになることもあります。ここで知っておいてほしいのは、季節講習は「全部取らなくてもいい」ということです。

苦手な教科だけ、あるいは受験に直結する教科だけ受講する形でも、多くの塾では対応してくれます。学校のテストや模試の結果を見て「ここが弱い」と思う教科に絞って申し込むと、費用をかなり抑えられます。塾側から「全部取ることを勧めます」と言われても、家計の状況を正直に伝えて相談してみてください。

志望校の傾向と塾のカリキュラムが合っているか確認する

これは費用の話とは少し違いますが、「成果が出ない塾に費用をかけ続ける」のが一番もったいないことです。通っている塾のカリキュラムや指導方針が、お子さんの志望校の傾向と合っているかどうか、定期的に確認することが大切です。

成果が出ていないと感じているなら、思い切って塾を変えることも一つの選択肢です。「長く通っているから」という理由だけで合わない塾に費用をかけ続けるよりも、自分に合った環境で短期集中した方が効果的なことは多いです。

習い事費用を支援してくれる制度・補助を知っておく

あまり知られていませんが、習い事や学習費用に使える補助制度は、国・自治体・民間それぞれに存在します。知っているかどうかだけで数万円単位の差が出ることもあるので、ぜひ確認してみてください。

就学援助制度・子ども食堂・地域の支援事業

経済的に厳しい状況にあるご家庭向けに、就学援助制度があります。給食費や学用品費の補助だけでなく、校外活動費や学校外の学習費用に充てられるケースもあります。対象かどうかは学校や市区町村の窓口に確認するのが確実です。

また最近では、NPOや地域団体が子ども向けの無料・低価格の学習支援や習い事体験を提供している地域も増えています。「子ども 学習支援 +地域名」で検索してみると、思わぬリソースが見つかることがあります。

スポーツ・文化活動への助成金・奨励金を調べる

子どもがスポーツや文化活動に取り組んでいる場合、自治体や競技団体から活動費の助成が受けられることがあります。特定の大会への出場補助や、用具購入への助成などが対象になることも。

これは自分から調べないと知らせてもらえないことが多いです。お子さんが所属しているチームや教室の先生に「こういった補助はありますか?」と聞いてみるのが一番早い方法です。

会社の福利厚生・共済を確認する

意外と見落とされがちなのが、勤務先の福利厚生です。教育費や習い事費用の一部を補助してくれる制度がある会社もあります。また、共済組合に加入している場合、子どもの習い事や学習関連の費用が給付の対象になるケースもあります。

人事部や総務部に確認するのが少し億劫に感じる方もいるかもしれませんが、使えるものは使っておかないと損です。会社のイントラネットや福利厚生の案内書類をもう一度見直してみることをおすすめします。

「続けること」と「やめること」、どちらも正解になる考え方

費用を抑える工夫をいろいろお伝えしてきましたが、最後に一番大切なことをお伝えしたいと思います。それは、「習い事をやめること」をネガティブに捉えすぎないでほしい、ということです。

習い事は「続けた年数」よりも「何を学んだか」が大事

子どもが3年間ピアノを続けた経験は、たとえ途中でやめたとしても消えません。音楽に触れた時間、先生との関わり、発表会での緊張と達成感——それらはすべてその子の中に残ります。「途中でやめた=失敗」ではありません。

逆に、本当はやりたくないのに親の意向でずっと続けさせられている習い事は、子どもにとってストレスになることもあります。費用だけでなく、子どもの気持ちと向き合いながら、「今この時期に何を大切にするか」を家族で話し合えるといいですね。

「今やめる」のと「しばらく休む」の選択肢を持つ

「退会」という選択肢しかないと思い込んでいる方が多いですが、実は「休会」制度がある教室も少なくありません。数ヶ月だけ月謝を安くして在籍を続けられたり、一時的に休んでから戻れたりする仕組みがある場合があります。

「とりあえず春まで休んで、また始めたくなったら再開しよう」という使い方ができれば、子どもも「完全にやめた」というプレッシャーを感じずに済みます。教室の先生や担当者に相談してみてください。

家族で「うちの優先順位」を話し合う場を作る

習い事の費用問題は、実は「家族でお金の話をする機会」でもあります。子どもが小学校中学年以上であれば、「うちはこれとこれに使えるお金がある。どれを続けたい?」と正直に話すことで、子ども自身が選ぶ力を育てることができます。

お金について子どもと話すのは難しく感じるかもしれませんが、「家族みんなで考えた」という経験は、子どもにとって大切な学びになります。夫婦でも意見が食い違うことがあると思いますが、「どちらの意見が正しいか」を争うのではなく、「家族としてどうしたいか」を共通のゴールにして話し合えると、夫婦の育児方針のすれ違いも小さくなっていきます。

習い事の費用を抑えることは、子どもの未来を狭めることではありません。本当に大切なものを見極めて、無理のない形で続けていく——その方が子どもにとっても、家族にとっても、ずっと良い環境だと私は思っています。焦らず、一つずつ整理していきましょう。

Photo by Vitaly Gariev on Unsplash