あなたのiPhone、本当に使いこなせていますか?
毎日手にしているiPhoneなのに、「実はこんな機能があったの?」と驚いた経験はありませんか?アプリを開く、写真を撮る、LINEする——それだけで終わっているとしたら、じつはiPhoneの実力の半分も引き出せていないかもしれません。
シュナウザー博士がこの記事でお伝えするのは、「知っていると毎日がちょっと楽になる」設定と機能です。難しい操作は一切ありません。設定アプリをいじるだけで変わるものばかりです。では、さっそく一緒に見ていきましょう。
①バッテリーを長持ちさせる「充電の最適化」設定
iPhoneを長く使っていると、バッテリーの減りが早くなってきたと感じることがありますよね。これはバッテリー自体の劣化が原因ですが、じつは設定一つでその劣化を遅らせることができます。
それが「最適化されたバッテリー充電」という機能です。簡単に言うと、「毎晩寝る前に充電して、朝には100%になっていてほしい」という使い方をしている人向けに、iPhoneが充電パターンを学習して80%で一旦止め、起きる直前に100%にしてくれる仕組みです。
リチウムイオンバッテリー(スマートフォンに使われている電池の種類)は、100%の状態を長時間キープするほど劣化が進みます。この機能を使えば、フル充電の時間を最小限にできるわけです。
設定方法
「設定」→「バッテリー」→「バッテリーの状態と充電」→「最適化されたバッテリー充電」をオンにするだけです。デフォルトでオンになっている場合も多いので、まずは確認してみてください。
②見落としがちな「集中モード」で通知の洪水から解放される
仕事中、食事中、就寝前——それぞれの場面で「受け取りたい通知」と「後でいい通知」は違いますよね。そんなときに役立つのが「集中モード」という機能です。
集中モードとは、特定の時間や場所、アプリを使っているときに「許可した相手からの通知だけ受け取る」ように設定できる機能のことです。昔からある「おやすみモード」の進化版と思ってもらえばわかりやすいです。
たとえば「仕事」モードを作れば、業務時間中はSlackやメールだけ通知して、SNSは全部オフにできます。「パーソナル」モードを作れば、家族や親友からの連絡だけ通知して、それ以外は静かにできます。
設定方法
「設定」→「集中モード」から「+」ボタンで新しいモードを作れます。あるいはコントロールセンター(画面右上から下にスワイプすると出てくるメニュー)にある三日月マークを長押しすると、モードの一覧が表示されます。ここから素早く切り替えができるので、ぜひ活用してみてください。
③知らないと損する「戻るボタン」の代わり「背面タップ」
Androidスマートフォンには画面下に「戻る」ボタンがありますが、iPhoneにはありません。「これが不便で……」と感じている方に朗報です。iPhoneには「背面タップ」という機能があります。
背面タップとは、iPhoneの背面(背中の部分)を2回または3回タップすることで、あらかじめ設定した操作を実行できる機能です。たとえば「2回タップでスクリーンショット」「3回タップでホーム画面に戻る」といった使い方ができます。
ケースをつけていても反応することが多いので、試してみる価値は十分あります。スクリーンショットをよく撮る人には特におすすめです。電源ボタンと音量ボタンを同時押しする操作が、背面をトントンとタップするだけで済むようになります。
設定方法
「設定」→「アクセシビリティ」→「タッチ」→「背面タップ」から設定できます。「ダブルタップ」と「トリプルタップ」それぞれに操作を割り当てられます。スクリーンショット、ホーム画面、コントロールセンターの表示など、多彩な操作から選べます。
④写真が見違える「フォーマット」設定の話
iPhoneで撮った写真を他の人に送ったとき、「この画像、開けない」と言われたことはありませんか?それはiPhoneがデフォルトで「HEIF(ヒーフ)」という形式で写真を保存しているからかもしれません。
HEIFとは、Appleが採用している高圧縮の画像形式です。同じ画質でもJPEGの約半分のファイルサイズになるため、ストレージの節約になります。しかし古いWindowsパソコンや一部のサービスでは開けないことがあります。
写真を他のデバイスやサービスで使うことが多い方は、JPEGで保存するように変更しておくとトラブルが減ります。一方で、iPhoneの中だけで写真を管理していてストレージを節約したいならHEIFのままで問題ありません。
設定方法
「設定」→「カメラ」→「フォーマット」から「互換性優先」を選ぶとJPEGで保存されます。「高効率」を選ぶとHEIFになります。なお、写真を共有するときに自動でJPEGに変換してくれる設定もあります。「設定」→「写真」→「MACまたはPCに転送」の項目を「自動」にしておくと、転送時に最適な形式に変換してくれます。
⑤地味だけど超便利「テキスト入力の置換」機能
「じゅうしょ」と入力したら自動で自分の住所に変換される——そんな機能があったら便利だと思いませんか?実はiPhoneには「ユーザ辞書」という機能があり、これを使えばまさにそれが実現できます。
ユーザ辞書とは、自分だけのショートカットワードを登録しておける機能です。「おれあど」と打てば自分のメールアドレスに変換、「でんわ」と打てば自分の電話番号に変換……といった設定が可能です。毎回入力するのが面倒な長い文章も、短い読み仮名で一発変換できます。
フリーランスや営業職の方なら、定型文の挨拶を登録しておくだけでメール返信のスピードが格段に上がります。「いつもお世話になっております」を「おせわ」で一発入力、なんてことができます。
設定方法
「設定」→「一般」→「キーボード」→「ユーザ辞書」から登録できます。「単語」の欄に変換後のテキスト、「よみ」の欄に呼び出すためのショートカットを入力するだけです。
⑥プライバシーを守る「アプリのトラッキング」設定
「さっき検索したものの広告が、別のアプリを開いたらすぐ出てきた」——こんな経験をしたことがある方も多いはずです。これはアプリが「トラッキング(追跡)」を行っているからです。
トラッキングとは、アプリやウェブサービスがあなたの行動履歴(どんなものを見た、どこで買い物をした、など)を収集して、広告配信などに活用することです。iPhoneにはこのトラッキングを制限できる「App のトラッキングの透明性」という仕組みがあります。
この設定をオンにすると、アプリがトラッキングをしようとするときに「許可しますか?」という確認ダイアログが表示されます。「許可しない」を選べば、そのアプリにあなたの行動データを追われることはなくなります。
設定方法
「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「トラッキング」から「アプリからのトラッキング要求を許可」をオフにすると、すべてのアプリに対してトラッキングを一括で拒否できます。すでにインストール済みのアプリも同じ画面で個別に管理できます。
⑦見えないのに便利「AssistiveTouch」という隠れた名機能
物理ボタンが壊れてしまったときや、片手でスマホを操作したいときに役立つのが「AssistiveTouch(アシスティブタッチ)」です。
AssistiveTouchとは、画面上に小さなボタンを常に表示させて、そこからホームボタン操作や音量調整、スクリーンショットなど様々な操作ができるようにする機能です。本来はアクセシビリティ(体の不自由な方向けの補助機能)として提供されているものですが、一般ユーザーにとっても便利な場面があります。
たとえばホームボタンの効きが悪くなってきた機種を使っている場合や、電源ボタンが押しにくいと感じている場合に重宝します。また、テーブルに置いたままiPhoneを操作するときに、画面を遠くから触りやすくするためにも使えます。
設定方法
「設定」→「アクセシビリティ」→「タッチ」→「AssistiveTouch」からオンにできます。ボタンの透明度や配置できる機能もカスタマイズ可能です。使わないときは半透明になって目立たなくなるので、常時オンにしていてもそれほど邪魔になりません。
⑧毎日使うなら絶対知っておきたい「Spotlight検索」
「あのアプリどこに置いたっけ……」とホーム画面を延々とスワイプしたことはありませんか?そんな時間は今日で終わりにしましょう。iPhoneには「Spotlight検索」という超高速検索機能があります。
Spotlight検索とは、ホーム画面を下にスワイプするだけで起動する検索機能です。アプリ名を入力すればそのアプリが一発で見つかります。それだけではなく、連絡先の名前、過去のメッセージ、メモの内容、写真に写っている文字(テキスト認識)まで検索できます。
「先月もらった名刺の写真」「去年撮った海の写真」なども、テキスト入力で探し出すことができます。これはiPhoneの写真アプリが画像の中の文字や被写体を自動で認識・インデックス化しているからです。
さらに計算機アプリを開かなくても、Spotlight検索に「123×456」と入力すればその場で計算結果が表示されます。換算(「100ドル 円」など)や辞書検索も同様です。知っているだけで、毎日の作業効率がじわじわ上がっていく機能です。
使い方
ホーム画面のどこかを下にスワイプすると検索バーが現れます。あとはキーワードを入力するだけです。ロック画面からでも使えることがあります。アプリフォルダをやめてSpotlight検索をメインの起動手段にする、という使い方をしているユーザーも少なくありません。
⑨パスワード管理に悩んでいる人へ「iCloudキーチェーン」
サービスごとに違うパスワードを設定しようとすると、どこかで必ず「あれ、このパスワードなんだっけ」となりますよね。メモ帳に書いておくのはセキュリティ的に危ない……そんな悩みを解決してくれるのが「iCloudキーチェーン」です。
iCloudキーチェーンとは、Appleが提供するパスワード管理の仕組みです。Safariや対応アプリでパスワードを入力するときに自動で記憶・保存してくれて、次回以降はFace IDやTouch IDで自動入力してくれます。同じApple IDでログインしているiPhone・iPad・Macすべてで共有されます。
また、強力なランダムパスワードの自動生成機能もあるので、「新しいパスワードどうしよう」という悩みからも解放されます。第三者のパスワード管理アプリを使わなくても、Apple純正でここまでできるのは正直すごいと思います。
設定方法
「設定」→「パスワード」から管理画面に入れます。保存済みのパスワード一覧を確認したり、危険にさらされているパスワード(流出済みのデータベースに含まれているもの)を検出してくれる機能もあります。使っていない方は、ぜひ今日から始めてみてください。
設定を変えるだけで、iPhoneはもっと「自分のもの」になる
今回紹介した機能はどれも、設定アプリをちょっといじるだけで使えるようになるものばかりです。特別な知識も、お金もかかりません。
大切なのは「iPhoneはデフォルトの状態が最善ではない」ということを知ることです。自分のライフスタイルに合わせてカスタマイズしてこそ、iPhoneは本当の力を発揮します。
まずは今日、一つだけ試してみてください。「背面タップ」や「Spotlight検索」あたりから始めると、すぐに効果を実感できるのでおすすめです。「あ、これ便利だ」という体験が一つあると、他の設定も触ってみたくなるはずです。シュナウザー博士も、そうやって少しずつiPhoneを自分仕様に育ててきました。
あなたのiPhoneライフが、今日よりちょっとだけ快適になることを願っています。