「AIで画像を作れる」と聞いたことはあっても、実際に試してみたら何をどう入力すればいいかわからなくて、あきらめてしまった経験はありませんか?

あるいは、SNSで見かけるAI生成画像に「自分でも作れたら便利なのに」と思いつつ、なんとなく敷居が高く感じている方も多いのではないでしょうか。

安心してください。画像生成AIは、絵を描く才能もデザインの知識も、まったく必要ありません。必要なのは「どんな画像が欲しいか」を言葉で伝えること、それだけです。この記事を読み終わるころには、きっと「自分でも使えそう」という気持ちになっているはずです。

画像生成AIとは何か、まずここから

画像生成AIとは、文章(テキスト)を入力するだけで、コンピューターが自動的に画像を作り出してくれる技術のことです。「プロンプト(prompt)」と呼ばれる指示文を入力すると、数秒から数十秒で画像が生成されます。

プロンプトというのは、簡単に言えば「AIへの注文書」です。「青い空の下に立つ柴犬」とか「夕日に照らされたカフェの窓辺」とか、自分が欲しいイメージを言葉で書き込むだけ。それだけで、AIがその言葉の意味を理解して画像を生成してくれます。

以前は絵を一枚作るためにデザイナーさんに依頼したり、自分で何時間もかけて描いたりする必要がありました。それが今では、文章を打ち込むだけで一般の人でも手軽に画像を作れる時代になったのです。これは、インターネットが登場したときと同じくらい大きな変化だと言っても過言ではありません。

代表的な画像生成AIツールを知っておこう

画像生成AIにはいくつかの有名なサービスがあります。それぞれ特徴が異なるので、目的に合わせて選ぶのがポイントです。

Midjourney(ミッドジャーニー)

アーティスティックで美しい仕上がりが得意なサービスです。風景画や人物のポートレートなど、「芸術的な雰囲気の画像を作りたい」という場合に向いています。もともとDiscordというチャットツール上で使う仕様でしたが、現在はウェブブラウザからも利用できます。月額料金がかかりますが、クオリティの高さは群を抜いています。

Adobe Firefly(アドビ ファイアフライ)

PhotoshopやIllustratorで知られるAdobeが提供する画像生成AIです。商用利用(仕事や販売目的での使用)に配慮した設計がされており、ビジネス用途で安心して使えるのが大きな強みです。Adobe Creative Cloudのサービスに組み込まれているため、すでにAdobeのツールを使っている方にはなじみやすいでしょう。

Canva(キャンバ)のAI機能

デザインツールとして有名なCanvaにも、画像生成AI機能が搭載されています。無料プランでも一定回数使えるため、まずお試しで画像生成AIを体験してみたい方にはとくにおすすめです。チラシやSNS投稿の画像を作るついでにAI生成も試せるので、ハードルが低いのが魅力です。

DALL·E(ダリ)

ChatGPTを開発したOpenAIが提供する画像生成AIです。ChatGPTの有料版(ChatGPT Plus)を使っている方なら、チャット画面から直接画像を生成することができます。文章での指示に対して非常に素直に反応してくれるため、プロンプトの初心者でも扱いやすいのが特徴です。

「何を書けばいいかわからない」プロンプトの基本的な考え方

画像生成AIを使ってみようとして最初に壁にぶつかるのが、「何を入力すればいいかわからない」という問題です。これは多くの方が経験することで、まったく珍しくありません。

プロンプトの書き方にはいくつかのコツがあります。

基本は「何を」「どんな雰囲気で」「どんな視点で」

プロンプトを考えるときは、この3つの要素を意識するとうまくいきやすいです。

たとえば、こんな感じです。

「白いテーブルの上に置かれたコーヒーカップ(何を)、朝の温かい光が差し込む(どんな雰囲気で)、真上から見た俯瞰のアングル(どんな視点で)」

これをそのままプロンプトとして入力すると、かなりイメージに近い画像が生成されることが多いです。英語で入力するほうが精度が上がるサービスが多いですが、日本語でも対応しているサービスも増えていますし、Google翻訳やChatGPTに「これを英語にして」と頼む方法でも問題ありません。

スタイルを指定するとグッとよくなる

「写真風」「水彩画風」「アニメ風」「油絵風」などのスタイルを加えると、仕上がりのイメージがぐっと狭まって、思い通りの画像に近づきます。

たとえば「水彩画風の桜並木」と指定するだけで、ふんわりとした柔らかいタッチの画像が出てくるようになります。自分が「いいな」と思う画像のスタイルを言葉で追加してみてください。

うまくいかなかったら「言い換える」「付け加える」

最初から完璧な画像が出てくることは多くありません。「なんか違うな」と思ったら、プロンプトを少し変えて再生成してみましょう。「明るく」「暗く」「シンプルに」「複雑に」といった形容詞を加えるだけで、大きく変わることもあります。

プロンプトを少しずつ調整しながら理想の画像に近づけていく、この試行錯誤のプロセス自体が画像生成AIの醍醐味だと思っています。

実際にどんな場面で使えるの?具体的な活用シーン

「面白そうだけど、自分には使い道がないかも」と感じている方のために、実際の活用シーンを具体的に紹介します。

SNSのアイコンやヘッダー画像を作る

InstagramやX(旧Twitter)のプロフィール画像や、ヘッダー画像に使える素材を作れます。「柔らかい色調のパステルカラーの抽象アート」「ネコがコーヒーを飲んでいるイラスト」など、自分のアカウントのテイストに合ったオリジナル画像が手軽に作れます。フリー素材サイトでは見つけられない「ちょうどいいもの」が作れるのが嬉しいポイントです。

ブログやnoteの記事に使うアイキャッチ画像

記事の内容に合わせたオリジナルの見出し画像を作れます。フリー素材では「なんとなく雰囲気が違う」と感じることがありますが、AI生成なら内容にぴったり合った画像を自分で作れます。たとえば「本がたくさん積まれた書斎のデスク、暖かいランプの光、読書の雰囲気」といったプロンプトで、読書系の記事にぴったりな画像が生成できます。

プレゼン資料のビジュアルを強化する

仕事のプレゼンテーションで、スライドに使える画像を探すのに困ったことはありませんか?「チームワーク」「デジタル変革」「未来のオフィス」といったビジネス的なテーマの画像も、プロンプト一つで生成できます。著作権の問題が気になる方も、自分で生成した画像なら安心して使えます(ただし、各サービスの利用規約は事前に確認してください)。

ハンドメイド作品のイメージ画像

ハンドメイド作家の方で「完成前のイメージ画像が欲しい」という場合にも使えます。「ナチュラルな素材感のキャンドルホルダー、白い背景、商品撮影風」といったプロンプトで、実際に撮影したような雰囲気の画像が作れることがあります。もちろん完璧には再現できませんが、イメージを共有するためのビジュアルとしては十分役立ちます。

子どもへの読み聞かせ用のオリジナル絵本素材

「子どもに読み聞かせる話を考えたいけど、絵が描けない」という親御さんにも活用できます。「丸くてかわいい青いドラゴンが空を飛んでいる絵本風のイラスト」などで、オリジナルの絵本素材を作ることができます。絵本風のテイストを指定すると、子どもウケするような柔らかいタッチの画像が生成されやすくなります。

初心者が知っておきたい注意点

便利な画像生成AIですが、使い始める前に知っておきたい注意点もあります。

著作権と商用利用のルールを確認する

生成した画像の権利関係は、サービスによって異なります。個人的に楽しむだけなら問題になることはほぼありませんが、仕事で使ったり、商品に印刷して販売したりする場合は、必ず各サービスの利用規約を確認してください。Adobe FireflyやCanvaのAI機能は商用利用に対して比較的明確なルールを設けており、初心者の方には安心して使いやすいサービスです。

実在する人物の画像生成には注意が必要

特定の有名人や実在する人物を指定して画像を生成することは、肖像権やプライバシーの問題が生じる可能性があるため、避けるのが賢明です。架空のキャラクターや風景、抽象的なモチーフを使うほうが安全です。

思い通りにいかないことは「普通」のこと

最初から完璧な画像が生成されることはほとんどありません。プロンプトを何度も調整しながら試していくのが普通のプロセスです。「うまくいかない=失敗」ではなく、「プロンプトをどう変えようか」と楽しむ気持ちで取り組むと、使いこなせるようになるのが早くなります。

もっと上手く使いたいときのヒント

ある程度使い慣れてきたら、少し踏み込んだ使い方も覚えておくと表現の幅が広がります。

参考画像をアップロードして「この雰囲気で」と指示する

多くの画像生成AIでは、参考画像をアップロードして「この画像のテイストで別の画像を作って」といった指示が可能です。言葉だけでは伝えにくいニュアンスも、画像を見せることで精度が上がることがあります。

ChatGPTにプロンプトを考えてもらう

「どんなプロンプトを書けばいいかわからない」という場合は、ChatGPTに「こんな画像を作りたいのですが、DALL·E用のプロンプトを英語で考えてください」と頼む方法があります。AIにAIのための指示を考えてもらうというちょっと面白い使い方ですが、これがかなり有効です。初心者の方にとって、プロンプト作りのハードルを大幅に下げてくれます。

生成した画像をCanvaやPhotoshopで仕上げる

AIで生成した画像は、そのままでは「もう少し文字を入れたい」「色味を変えたい」ということもあります。そんなときはCanvaやPhotoshopなどのデザインツールで仕上げ加工をするのがおすすめです。AIで素材を作って、デザインツールで整えるという組み合わせが、実用的には最もバランスがいい使い方です。

画像生成AIは「想像力を形にするツール」

画像生成AIは、これまで「絵が描けない自分には無縁のもの」と思っていた人にとって、想像力を形にするまったく新しい手段です。

デザインの知識も、絵を描くセンスも関係ない。必要なのは「こんな画像があったらいいな」というイメージと、それを言葉にしようとする気持ちだけです。

最初は思い通りにいかないこともありますが、何度か試しているうちに「このくらいの指示を入れると、こんな感じの画像が出てくる」という感覚がつかめてきます。その感覚が身についてくると、画像生成AIを使うことがぐっと楽しくなってきます。

まずは無料で使えるCanvaのAI機能やDALL·Eから、肩の力を抜いて試してみてください。「こんな画像が作れた!」という小さな成功体験が、テクノロジーとの距離をぐっと縮めてくれるはずです。

Photo by ONUR KURT on Unsplash