「ChatGPTって名前はよく聞くけど、実際に何ができるのかよくわからない」——そう感じている方は、じつはとても多いんです。
テレビやSNSで話題になっているのに、いざ使おうとすると「どこから始めればいいの?」「難しそう…」と手が止まってしまう。そんな方のために、ChatGPTをまったく触ったことがない人でもすぐに使い始められるよう、順を追って丁寧にお伝えします。
ChatGPTってそもそも何者?
ChatGPTは、アメリカのOpenAIという会社が開発した「AIチャットサービス」です。チャット(=会話)とGPT(AIの技術名)を組み合わせた名前で、要するに「AIと文字でやりとりできるサービス」と思ってもらえれば大丈夫です。
スマホのLINEで友だちにメッセージを送るように、画面に文章を入力するとAIが返事をしてくれます。ただし相手は人間ではなく、膨大な量のテキストデータを学習したAIです。百科事典を丸ごと読み込んで、会話できるようになったイメージに近いかもしれません。
検索エンジン(GoogleやYahoo!)とよく混同されますが、ChatGPTは「調べる」というより「対話しながら考える・作る」ためのツールです。Googleは「答えが書かれているページ」を探してくれますが、ChatGPTは「あなたの状況に合わせた答えそのもの」を作り出してくれます。この違いが、ChatGPTの最大の特徴です。
まずアカウントを作るところから始めましょう
ChatGPTを使うには、OpenAIのアカウントが必要です。難しく聞こえるかもしれませんが、手順はシンプルです。
アカウント登録の手順
まず、ブラウザ(ChromeやSafariなど)で「ChatGPT」と検索し、OpenAIの公式サイト(chat.openai.com)にアクセスします。「Sign up(サインアップ)」ボタンをクリックすると、メールアドレス・Googleアカウント・Appleアカウントのいずれかで登録できます。
一番かんたんなのは、すでに持っているGoogleアカウントでログインする方法です。「Googleで続ける」を選んで、使いたいGoogleアカウントを選択するだけで登録完了します。名前と生年月日を入力する画面が出てきますので、入力して進めてください。
登録が終わったら、チャット画面が開きます。画面下部に長細い入力欄があるのが見えるはずです。ここに文章を打ち込むことで、AIとの会話がスタートします。
無料で使えるの?有料版との違いは?
ChatGPTには無料プランと有料プランがあります。無料プランでも十分に使えますので、最初は無料から始めて問題ありません。
有料プランは「ChatGPT Plus」と呼ばれ、月額料金がかかります。有料にすると使えるAIのモデルが新しくなり、回答の質が上がったり、画像を読み込んで分析する機能なども使えるようになります。ただ、日常的な文章作成・調べもの・アイデア出しといった用途なら、無料プランでも十分に活躍してくれます。
実際に何ができるのか、具体的に見てみましょう
「AIと会話できる」と言われても、具体的に何に使えばいいかピンとこない方も多いと思います。ここでは、日常や仕事の場面で役立つ使い方を紹介します。
① 文章を書くのを手伝ってもらう
ChatGPTが得意とする分野のひとつが、文章の作成です。たとえばこんな場面で活躍します。
- 取引先へのお礼メールを書きたいけど、どう書けばいいかわからない
- 上司への報告書をうまくまとめられない
- SNSに投稿する文章を考えたい
- 友人への誕生日メッセージをオリジナルで作りたい
たとえば「先日の会議のお礼メールを書いてください。相手は初めて会ったお客様で、丁寧な文体でお願いします」と入力するだけで、すぐにメール文を作成してくれます。あとは自分で少し手を加えるだけでOKです。
② わからないことをわかりやすく教えてもらう
ChatGPTは「先生役」としても非常に優秀です。難しい専門用語や、調べてもよくわからなかったことを、「小学生でもわかるように説明して」「具体的な例を交えて教えて」と頼めば、あなたに合わせた説明をしてくれます。
たとえば「NISAって何ですか?投資をまったく知らない人に説明するように教えてください」と聞けば、難しい金融用語を使わずにかみ砕いて説明してくれます。Googleで調べると難しい記事がたくさん出てきて混乱する…という方にとって、ChatGPTはとても使いやすい学習の相棒になります。
③ アイデアを一緒に考えてもらう
何かを考えるときの壁打ち相手としても使えます。「来月の部署の飲み会のテーマを考えたい」「子どもの誕生日パーティーの出し物のアイデアが浮かばない」「プレゼン資料のタイトルをいくつか候補を出してほしい」——そんな悩みに対して、次々とアイデアを出してくれます。
人に相談するのは気が引ける、でも自分一人では行き詰まっている、という状況のときに特に便利です。
④ 長い文章を短くまとめてもらう
ニュース記事や会議の議事録、長いメールなど、読むのに時間がかかる文章を貼り付けて「この内容を3行でまとめてください」と頼むことができます。
忙しい日々の中で「要点だけ知りたい」という場面に、すごく役立ちます。
上手に使うための「質問の仕方」
ChatGPTを使っていて「なんかイメージと違う答えが返ってきた…」と感じたことがある方は、質問の仕方を少し工夫するだけで、ぐっと使いやすくなります。
「誰に向けて」「何のために」を伝える
ChatGPTへの入力(これを「プロンプト」と言います)は、具体的であればあるほど、求めている答えに近い回答が返ってきます。
たとえば「文章を書いて」だけよりも、「30代の転職を考えている人に向けて、職務経歴書の書き方を教えてください。初めて転職活動をする人にも伝わるように、やさしい言葉でお願いします」のほうが、ずっと的確な回答が返ってきます。
料理に例えるなら、「何か作って」より「今日は疲れていて、冷蔵庫にある野菜と鶏肉で、30分以内に作れる夕食が食べたい」と伝えたほうが、ぴったりのレシピを提案してもらえるのと同じです。
「役割」を与えてみる
ChatGPTに「あなたはプロの編集者です」「あなたは経験豊富なキャリアカウンセラーです」といった役割を最初に伝えると、その立場からの視点で回答してくれます。
たとえば「あなたは料理研究家です。忙しい共働き家庭向けに、10分で作れる夕食レシピを5つ提案してください」と入力すると、よりリアルで実用的なアドバイスが返ってきやすくなります。
満足できなければ「もう一度」頼んでいい
一度の回答で完璧な答えが出なくても、追加で指示を出すことができます。「もう少し短くして」「もっとフランクな言葉遣いにして」「例を追加してください」のように、会話を続けながら答えを磨いていくのが、ChatGPTの正しい使い方です。
一発で完璧を求めなくていい——これを知っておくだけで、ずいぶんラクに使えるようになります。
使うときに知っておきたい注意点
ChatGPTはとても便利ですが、万能ではありません。安心して使うために、いくつか頭に入れておいてほしいことがあります。
情報が古い・間違っていることがある
ChatGPTはインターネットをリアルタイムで検索しているわけではありません(一部の機能を除く)。学習データに含まれている知識をもとに回答するため、情報が古かったり、事実と異なる内容が混じることがあります。
医療・法律・税金・投資など、正確さが重要な分野の情報は、ChatGPTの回答を鵜呑みにせず、公式情報や専門家への相談と組み合わせるようにしてください。「参考意見のひとつ」として活用するのがベストです。
個人情報や機密情報は入力しない
ChatGPTに入力した内容は、サービスの改善のために利用される可能性があります。自分や他人の本名・住所・電話番号、会社の機密情報、取引先の個人情報などは絶対に入力しないようにしましょう。
仕事で使う場合も、社内の規定を確認した上で利用することをおすすめします。
著作権に気をつける
ChatGPTが作成した文章をそのままコピーして使う場合、著作権や利用規約の観点から注意が必要なケースがあります。特にビジネスでの利用や、外部に公開するコンテンツとして使う場合は、自分の言葉でアレンジする・内容を確認するひと手間を加えることをおすすめします。
はじめての人におすすめの「最初の一言」
「なんと入力すればいいかわからない」という方のために、今日からすぐに試せる質問の例をいくつか挙げておきます。
- 「自己紹介が苦手です。簡単な自己紹介文を作るのを手伝ってください。」
- 「疲れたときにすぐ作れる、簡単な夕食レシピを3つ教えてください。」
- 「『クラウド』という言葉の意味を、ITを知らない人にもわかるように説明してください。」
- 「来週プレゼンがあります。緊張しないためのコツを教えてください。」
- 「部下へのフィードバックのメールを書きたいです。内容はポジティブな評価で、励ます内容にしてください。」
どれもシンプルな一文ですが、こういった問いかけから始めることで、ChatGPTの感触をつかめます。うまくいかなかったら言い方を変えてみる、それだけでOKです。
ChatGPTは「頼れる相談相手」として使うのが一番
ChatGPTを難しいツールだと思わないでほしいのです。むしろ、何でも気軽に聞ける相談相手——それが一番しっくりくる使い方だと思います。
「こんなことを聞いていいの?」「こんな使い方でいいの?」という遠慮は不要です。文章が上手でなくてもいい、専門知識がなくてもいい、思ったことをそのまま打ち込むだけで、ChatGPTは真剣に向き合ってくれます。
最初は「へえ、こんなことできるんだ」という小さな発見の積み重ねで十分です。使えば使うほど、自分なりの活用法が見つかってきます。まずは今日、ひとつだけ質問を投げてみてください。それが、あなたとAIの新しい付き合い方の始まりになります。
Photo by Austin Distel on Unsplash