サブスク代が「見えない貯金の穴」になっている理由
「特に贅沢してるわけじゃないのに、お金が全然貯まらない」
そう感じている人に、ぜひ一度確認してほしいことがあります。銀行口座やクレジットカードの明細を開いて、毎月自動で引き落とされているサービスを数えてみてください。
動画配信、音楽配信、クラウドストレージ、ニュースアプリ、フィットネス動画、電子書籍、ゲームのサブスク……。気づけば月に8本、9本と積み重なっていた、という人は珍しくありません。1本あたり数百〜千円台でも、合計すると月1万円を軽く超えることがあります。
年間に換算すると12万円。10年で120万円。この金額があれば、資産形成のスタートとして十分な額です。
サブスクは「少額だから大丈夫」と思いやすい構造になっています。でも、その少額が何本も重なって「見えない固定費」になっているのが、じわじわお金を削る原因になっているんです。
まず「自分が何に加入しているか」を全部書き出す
サブスク整理の第一歩は、とにかく全部見える化することです。頭の中で「たぶんこれくらい」と思っていても、実際に書き出すと必ず「あ、これも払ってた」という発見があります。
確認すべき場所はここ
サブスクの請求は、複数の場所に分散していることが多いです。漏れなく拾うために、以下の場所を順番に確認しましょう。
- クレジットカードの明細:月ごとの履歴をさかのぼり、定期的に同じ金額が引き落とされているものを探す
- 銀行口座の引き落とし履歴:カード払い以外のものも忘れずに
- スマートフォンの設定:iPhoneなら「設定→Apple ID→サブスクリプション」、Androidなら「Google Playストア→定期購入」で確認できる
- メールの受信トレイ:「ご請求のお知らせ」「会員継続のご連絡」といったメールを検索すると見落としが見つかることがある
実際にこの作業をした人から「3年前に登録して完全に忘れてたサービスが出てきた」という話はよく聞きます。解約方法を調べるのが面倒で放置していたり、無料期間に申し込んで有料に切り替わっていたり、というケースも多いです。
リスト化するときのポイント
書き出す際は、サービス名・月額・支払い方法・最後に使った日付の4つをメモしておくと後の判断がしやすくなります。スマホのメモアプリでも、紙でも、どちらでも構いません。
「最後に使った日付」が重要で、これが3ヶ月以上前なら、正直なところ「なくても困らない」サービスである可能性が高いです。
「使っている」と「使いこなしている」は全然違う
書き出しが終わったら、次は一本ずつ「このサービスは本当に生活に必要か」を考えます。
ここで多くの人が陥るのが、「一応使ってるから」という判断基準です。月に1〜2回しか開かないサービスを「使ってる」と言えるかどうか、冷静に考えてみてください。
続けるか・やめるかの判断基準
判断に迷ったときは、次の問いかけを使ってみてください。
「このサービスが明日なくなったら、困るか?」
「困る」と即答できるなら続ける価値があります。「まあ…別の方法でなんとかなるか」と思うなら、やめる候補です。
もう一つ有効な問いかけが、「今日から新規登録するとしたら、お金を払うか?」というものです。すでに加入しているサービスは「もったいない」という感情が判断を鈍らせます。でも、ゼロから選ぶ立場になって考えると、意外とスパッと「いや、払わないな」と判断できることがあります。
よく見直しの対象になりやすいサービス
多くの家庭でサブスク整理をすると、特に見直し対象として挙がりやすいカテゴリがあります。
動画配信の複数契約:Netflix・Amazonプライム・Disney+・U-NEXTなど複数を同時に契約しているケース。実際のところ、毎月全部見きれているかを確認してみてください。多くの場合、メインで使っているのは1〜2本だけで、残りはほとんど開いていないことがあります。
使っていないフィットネス・学習系サービス:「やろうと思って入った」系のサービスは、熱が冷めると一気に使わなくなります。登録した動機と今の状況が合っているか確認を。
クラウドストレージの重複:iCloud、Google One、Dropboxなど複数のストレージサービスを使っている場合、容量を一本に集約できないか検討する余地があります。
有料ニュース・情報サービス:登録時は「毎日読もう」と思っていても、実際には週に一度も開かないことも。無料の代替手段がないか考えてみましょう。
「やめ方がわからない」を解決する
サブスクを見直す上で、地味に大きな壁になるのが「解約の手間」です。わかりやすいボタンが用意されているサービスは少なく、複数のページを経由してやっとたどり着く、ということも珍しくありません。
それが面倒で「まあいいか」と先延ばしにしている間にも、毎月お金は出ていきます。
スマホアプリ系の解約
AppStoreやGoogle Playを経由して課金しているサービスは、各プラットフォームのサブスクリプション管理画面から解約できます。アプリを削除しただけでは課金が続くので注意が必要です。
- iPhone(iOS):設定 → 一番上の名前をタップ → サブスクリプション → 対象のサービスを選んでキャンセル
- Android:Google Playストアを開く → 右上のアイコン → お支払いと定期購入 → 定期購入
Webサービス系の解約
各サービスのサイトにログインし、「アカウント設定」「会員情報」「プラン管理」などのメニューから手続きします。「解約」という言葉が使われずに「退会」「プランの変更」として表記されていることもあります。
見つからないときは「サービス名 + 解約方法」で検索すれば、ほぼ確実に手順が出てきます。5分もあれば終わることがほとんどです。
解約するのが不安なときは「一時停止」を使う
NetflixやSpotifyなど一部のサービスには、解約ではなく一時停止(休止)機能があります。「やっぱり必要だったら困る」という不安がある場合は、まず一時停止して様子を見る方法もあります。実際に停止してみて困らなければ、そのまま解約に踏み切れます。
整理した後に「また増やさない」ための習慣
サブスクを一度整理しても、何となく新しいサービスに登録し続けると数ヶ月後には元通り、ということになりがちです。整理の効果を長続きさせるために、いくつかの習慣を取り入れておくと安心です。
無料トライアルは「解約日をカレンダーに入れる」ルールを作る
「最初の1ヶ月無料」という無料トライアルは、使い方を誤るとそのまま有料に移行してしまいます。登録した瞬間に、無料期間が終わる日付をスマホのカレンダーにアラームつきで登録する、というルールを自分に課しておきましょう。これだけで、うっかり課金が続くミスをかなり防げます。
新しいサブスクに加入するときは「何かと交換する」ルールにする
新しいサービスに加入したいと思ったとき、「今あるサービスの中で何かをやめてから入る」というルールにしておくと、サブスクの総数が膨らむのを自然に防げます。
「これに入るなら、何をやめる?」という問いかけを習慣にするだけで、本当に必要かどうかを自然と考えるようになります。
3ヶ月に一度、明細を見直す時間をつくる
完全に解約を終えた後も、3ヶ月に一度くらいのペースでクレジットカード明細やスマホのサブスク管理画面を確認する時間を設けておくと安心です。気づかないうちに新しいサービスが増えていたり、価格改定で月額が上がっていたりすることもあります。
毎月やる必要はありません。年に4回、季節の変わり目くらいに「棚卸し」の習慣をつけておくだけで十分です。
削減できたお金をどこに向けるか
サブスクを整理して月に数千円の余裕が生まれたとき、それをどこに向けるかを先に決めておくと、節約の効果が実感しやすくなります。
たとえば月3,000円の削減ができたなら、その金額をそのまま積立NISAの積立額に上乗せするのはシンプルで効果的な使い方です。3,000円×12ヶ月=年間36,000円、これを長期で運用に回し続ければ、何年後かに「あのサブスクやめてよかった」と思える日が来ます。
もちろん、貯蓄口座に移すだけでも十分です。大事なのは「なんとなく使ってしまう」ルートに乗せないこと。削減できた分を意識的に別の目的に割り当てる、という一手間が、節約を「ただ我慢するもの」から「未来のための行動」に変えてくれます。
サブスク整理は「一番ラクな節約」のひとつ
節約というと、毎日の買い物を切り詰めたり、外食を我慢したりするイメージを持つ人も多いですが、サブスクの整理はそういった日常の我慢とは全く違います。
一度解約してしまえば、その後は何もしなくても毎月同じ金額が節約され続けます。1回の作業で毎月の固定費が減る、これはかなりコスパのいい節約方法です。
難しい知識も必要ありませんし、特別な道具も要りません。必要なのは、明細を開いて、書き出して、「本当に必要か」を一本ずつ考える、それだけの時間です。
今週末の30分、ぜひサブスクの棚卸しに使ってみてください。思ったより多くの「使っていないお金」が見つかるはずです。
Photo by Jessica Lewis 🦋 thepaintedsquare on Unsplash
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