毎月払っている保険料、本当に必要な金額ですか?

保険料って、毎月口座から引き落とされていくけど、なんとなくそのままにしてしまいがちですよね。「入ったときに考えてそのまま」という人も多いと思います。

でも実は、保険は見直しをするだけで年間3〜10万円以上節約できるケースが非常に多い。食費を削ったり、コンビニを我慢したりするより、はるかに効果が大きいんです。

この記事では、保険の見直しで具体的にどこを削れるのか、どんな順番でチェックすればいいのかを丁寧に説明していきます。「保険のことがよくわからなくて不安」という方でも、読み終わったら「これなら自分でもできる」と感じてもらえると思います。

そもそも「保険の払いすぎ」はなぜ起きるのか

保険に入ったきっかけを思い出してみてください。多くの方は「知人の保険屋さんに勧められた」「就職したタイミングで親に言われて入った」という感じではないでしょうか。

そのときの担当者が悪意を持っていたわけではないんですが、保険の販売は「売る側にとって手数料が高い商品ほど勧められやすい」という構造があります。結果として、必要以上の補償が積み重なって、毎月の保険料が膨らんでいるケースがよく起きます。

また、ライフステージが変わると必要な保険も変わります。独身のときに入った生命保険をそのまま持ち続けていたり、子どもが独立したのに手厚い死亡保障がついていたり。「当時は必要だったけど今は不要」という保険が隠れていることが多いんです。

まず手元の保険証券を全部並べてみる

見直しの第一歩は、とにかく自分が何に入っているかを把握することです。意外と「何に入っているか自分でもよくわかっていない」という方が多いんですよね。

保険証券(契約内容が書かれた書類)を引き出しから全部出してみてください。紙の書類がない場合は、保険会社のアプリやマイページでも確認できます。また、毎月の引き落とし明細を見て「この保険会社、何の保険だっけ?」というものを洗い出すのも有効です。

確認すべき項目はこの5つです。

  • 保険の種類(生命保険・医療保険・がん保険・火災保険・車の保険など)
  • 毎月の保険料
  • どんなときにいくら出るか(保障内容)
  • いつまでの契約か(終身か、〇歳まで、など)
  • 解約返戻金があるかどうか

これを書き出すだけで「こんなに払ってたのか」と気づくことがほとんどです。一家族の合計保険料が月3〜5万円になっているケースも珍しくありません。

削りやすい保険のカテゴリ別チェックポイント

生命保険(死亡保障)は本当にその金額が必要か?

生命保険は「自分が死んだときに、残された家族が生活に困らないようにする」ためのものです。つまり、「自分の死亡によって困る人がいるかどうか」で必要性が変わります。

独身の方、または子どもが独立した方は、死亡保障の必要性はかなり下がります。配偶者だけなら、貯蓄で対応できるケースも多い。

子育て中の方でも、「必要保障額」をきちんと計算すると、加入している金額より低くなることが多いです。必要保障額の目安はこんなふうに考えます。

たとえば、子どもが2人いて末の子が独立するまであと15年、その間に家族が生活するために月20万円必要だとすると、20万円×12ヶ月×15年=3,600万円。ここから配偶者の収入見込みや貯蓄額を引いた金額が、本当に必要な死亡保障の目安です。

「なんとなく5,000万円の保険に入っている」という方は、3,000万円に下げるだけで保険料がかなり変わります。

医療保険は「公的保険でカバーされる部分」を把握してから判断する

日本の健康保険には「高額療養費制度」があります。これは、1ヶ月の医療費が一定額を超えた分は国が負担してくれる制度です。収入によって異なりますが、標準的な会社員なら月の自己負担は最大でも8〜9万円程度に抑えられます。

つまり、入院や手術があっても、実は自己負担はそこまで大きくならないんです。これを知らずに「入院1日1万円出る医療保険」に入っている方は多いですが、実際に使うシーンを考えると過剰な場合もあります。

医療保険の見直しポイントは3つです。

  • 入院1日あたりの給付金が5,000円と1万円の場合、保険料の差は大きいが実際の使用場面の差は小さい
  • 手術給付金の種類が多すぎると保険料が高くなる
  • 先進医療特約は必要だが、それ以外の特約は削れることが多い

先進医療特約だけは残しておくことをおすすめします。先進医療は公的保険が使えず、費用が数十〜数百万円になることがあるため、月100〜200円程度の特約料で備えられるのは費用対効果が高いんです。

がん保険は持っておきたいが、重複していないか確認する

がんは治療が長期化しやすく、医療費が大きくなりやすいため、がん保険は一定の合理性があります。ただし、医療保険とがん保険の両方に入っていると、がんになったときの補償が重複してしまうことがあります。

「医療保険のがん特約」と「単独のがん保険」を両方持っている場合は、どちらか一方に絞ることを検討してみてください。

火災保険は補償内容を絞れることが多い

持ち家の方は火災保険に加入していると思いますが、「家財の補償が高すぎる」ケースが多いです。家財とは家具や家電などのことですが、300万円の補償がついていても、実際に全損になるケースはほとんどありません。100〜150万円程度に下げるだけで保険料が下がります。

また、水災補償は地域によって必要性が変わります。水害リスクが低いハザードマップ上で安全なエリアに住んでいる場合は、水災補償を外すことで保険料を下げられます。

賃貸の方は、不動産会社から指定された保険に入っているケースがありますが、実は自分で選んで入り直すことができます。指定の保険より安い商品が多く、年間数千円〜1万円以上節約できることもあります。

自動車保険は等級と補償内容の見直しを

自動車保険は年齢や等級(無事故年数)によって保険料が大きく変わります。長く無事故なのにずっと同じ会社に入り続けているなら、一度ネット系の保険会社で見積もりを取ってみてください。同じ補償内容でも年間数万円安くなることがあります。

また、車両保険は古い車には不要なことが多いです。車両価値が50万円以下の車に車両保険をかけていると、保険料が割高になるのでチェックしてみてください。

実際にどのくらい節約できるのか、モデルケースで見てみる

30代の夫婦(子ども1人)のケースで考えてみましょう。見直し前の保険料が月3万5,000円だったとします。

内訳はこんな感じです。夫の終身生命保険が月1万2,000円、夫の医療保険が月4,000円、妻の医療保険が月3,500円、夫婦のがん保険がそれぞれ月2,500円ずつ、火災保険が月2,000円、自動車保険が月7,500円。

ここを見直すと、たとえばこうなります。終身生命保険を解約して収入保障保険に切り替えることで月1万2,000円→月3,500円。医療保険を入院日額を下げて月4,000円→月2,200円。がん保険の重複部分を整理して夫婦合計月5,000円→月2,500円。自動車保険を他社に切り替えて月7,500円→月5,500円。

合計すると月3万5,000円→月2万3,200円。差額は月1万1,800円、年間で約14万円の節約です。補償の質を落とさずに、ここまで変わるケースは実際によくあります。

見直しの相談はどこでするのが安心か

保険の見直しを「保険会社の担当者に相談する」のは要注意です。担当者は自社の商品しか提案できないため、本当に最適な商品を紹介してもらえるとは限りません。

おすすめの相談先は「独立系FP(ファイナンシャルプランナー)」です。特定の保険会社に属していないFPは、複数の会社の商品を比較して提案してくれます。有料相談(1時間あたり1〜2万円程度)になりますが、それ以上の節約効果が見込めることが多いです。

また、「保険の無料相談窓口」は手軽に使えますが、仕組み上、担当者に手数料が入る商品を勧められることがあります。無料相談を使う場合は「今加入している保険を整理したい」という目的を明確にして、新しい保険を売り込まれないよう注意してください。

「そこまで手間をかけたくない」という方は、まず火災保険と自動車保険だけネットで見直すのが一番手軽です。この2つは補償内容を自分で比較しやすく、乗り換えの手間も少ない。ここだけで年間数万円の節約になることもあります。

見直しをするうえで気をつけてほしいこと

一つだけ大切なことをお伝えしておきます。保険を解約・減額するときは、必ず「新しい保険に入ってから古い保険を解約する」順番でやってください。

先に解約してしまうと、新しい保険の審査の間に無保険状態が生まれます。健康状態によっては新しい保険に入れないこともあるので、順番を間違えないようにしてください。

また、健康上の理由で入れる保険が限られている場合は、むやみに解約しないほうが良いケースもあります。「今入っている保険を手放したら、次に入れないかもしれない」という視点も持ちながら判断してください。

今すぐできる最初の一歩

保険の見直しは「全部一気にやろう」とすると動けなくなります。まずは今日、自分が毎月いくら保険料を払っているかを合計するところから始めてみてください。

合計金額を出してみて「こんなに払っていたのか」と気づいたなら、それが見直しへの最初の動機になります。そこから一つずつ中身を確認していけば、自然と「これは削れる」という部分が見えてきます。

保険は「入ること」より「正しく持つこと」のほうがずっと大事です。同じ補償を安く手に入れることができれば、その差額は毎月の生活費にもなるし、将来の資産づくりにも回せます。節約の中でも保険の見直しは、一度やってしまえば毎月ずっと効果が続く、費用対効果の高い取り組みです。ぜひ一歩踏み出してみてください。

Photo by Jessica Lewis 🦋 thepaintedsquare on Unsplash