「子どもの大学費用、本当に足りるのかな…」と夜中にスマホで計算してしまったこと、ありませんか。私も長男が小学校に上がるころ、ふと習い事の月謝と将来の学費を足し算してみて、頭が真っ白になった記憶があります。貯金だけで本当に大丈夫なのかという不安は、子育て中のパパ・ママなら誰でも一度は感じるものだと思います。
そんなとき、「ジュニアNISA」や「子ども向けの投資」という言葉が目に入ってきますよね。でも「投資って難しそう」「損したら子どもに申し訳ない」「何から始めればいいのかさっぱり分からない」という声もよく聞きます。私自身、最初は同じ気持ちでした。だからこそ、失敗も含めて経験してきたことを正直にお伝えしたいと思います。
まず「ジュニアNISA」が終わったことを知っておいてほしい
子どもの投資を調べると、必ず出てくる「ジュニアNISA」という言葉。ここをまず整理しておきましょう。
ジュニアNISAはすでに新規受付を終了しています
ジュニアNISAは、0歳から17歳の未成年を対象にした非課税投資制度でしたが、新規口座開設・新規投資の受付はすでに終了しています。「じゃあもう使えないの?」と思われるかもしれませんが、すでに口座を持っている方は引き続き運用を続けられますし、非課税での払い出し条件も緩和されています。
大切なのは「ジュニアNISAが終わった=子どものための投資ができなくなった」ではないということです。子どもの将来に向けてお金を育てる方法は、ほかにもしっかり残っています。
ジュニアNISAの代わりに使える制度が整ってきた
ジュニアNISAが終了した一方で、親自身が利用できる「NISA(成人向け)」が大きく拡充されました。年間の非課税投資枠が増え、制度として使い勝手がよくなっています。「子どもの口座ではなく、親のNISA口座を使って子どもの教育費を積み立てる」という考え方が、今の主流になっています。
「子どもの名義でなくていいの?」と感じる方もいるかもしれません。でも教育費というのは最終的に親が支払うもの。親の資産をNISAで育てて、必要なときに使えばよいのです。名義にこだわる必要はありません。
子どもの教育費を投資で準備するとはどういうことか
「投資」と聞くと「株で一攫千金を狙う」イメージを持つ方もいますが、教育費のための投資はまったく別物です。
長期・積立・分散という3つのキーワード
教育費の投資で大切なのは「長期・積立・分散」の3つです。これは聞いたことがある方も多いと思いますが、なぜ大切かを実感として理解しておくことが重要です。
たとえば子どもが0歳のときから月1万円を積み立て始めたとします。18年間コツコツ続けると元本だけで216万円。これに運用の効果が加わると、仮に年率3〜5%程度で育った場合、受け取れる金額は元本よりかなり大きくなります(あくまでシミュレーションであり、保証された利回りではありません)。
「長期」とは時間をかけること。子どもが小さいうちから始めるほど、時間という最大の武器を使えます。「積立」とは毎月一定額を継続すること。相場が上がっても下がっても続けることで、高値づかみのリスクを抑えられます。「分散」とは一つの会社や国に集中させないこと。たとえば世界中の企業に少しずつ投資できる投資信託を使えば、自然と分散が実現できます。
どれくらいの期間・金額をイメージすればいいか
教育費の目標額は家庭によって違いますが、大学4年間の費用として国公立でも4年間で250万〜300万円程度、私立理系なら600万円を超えることもあります。これを聞くと「無理!」と感じるかもしれませんが、18年間という時間があれば月々の積立は思ったより小さくなります。
たとえば目標300万円なら、18年間で割ると月あたりの積立は元本だけで約1万4000円。運用の力を借りれば、もう少し少ない積立でも届く可能性があります。具体的な金額より大切なのは「早く始めること」です。10年後に月3万円積み立てるより、今日から月1万円積み立てるほうが、最終的な資産は大きくなることが多いです。
途中で使えなくなるリスクにどう備えるか
投資には元本割れのリスクがあります。「子どもが18歳になったとき、たまたま相場が暴落していたら?」という心配は、とても正直な疑問です。
そのための対策は2つあります。ひとつは「生活防衛費は別で確保する」こと。投資に回すのは生活費と緊急用の貯蓄を確保したうえでの余剰資金だけにする。これは鉄則です。もうひとつは「必要時期の2〜3年前から徐々に安全な資産に移す」こと。大学受験の時期が見えてきたら、一部を定期預金などに移しておくことで、暴落のダメージを受けにくくなります。
実際に何に投資すればいいのか
「よし、始めよう!」と思っても、商品の種類が多すぎて迷いますよね。私も最初は証券会社のサイトを見ては「これ何?」の連続でした。
初心者が迷ったら投資信託(インデックスファンド)から
子どもの教育費の投資として多くのファイナンシャルプランナーが勧めるのが「インデックスファンド」という種類の投資信託です。難しそうな名前ですが、仕組みは比較的シンプルです。
インデックスファンドとは、日経平均やS&P500(アメリカの主要500社)などの指数に連動するよう設計された金融商品です。つまり「世界や日本の経済全体に広く薄く投資する」イメージです。特定の会社が倒産しても、他の会社がカバーしてくれる仕組みなので、個別株に比べてリスクが分散されています。
また管理費用にあたる「信託報酬(手数料)」が低いものが多く、長期で積み立てるとこの差が大きく影響します。年間0.1%と0.5%では小さく見えますが、20年積み立てると最終的な手取り額に数十万円の差が出ることもあります。選ぶ際は信託報酬が低いものを選ぶことが大切です。
個別株や外貨預金は最初から手を出さなくていい
「どうせやるなら個別株も試してみたい」という気持ち、分かります。でも教育費という目的があるお金に関しては、最初は安定的なインデックスファンドの積立に集中することをおすすめします。
個別株は企業研究が必要ですし、値動きも大きい。子育てで忙しい毎日の中で、株価を毎日チェックするのは現実的ではないですよね。「買ったら基本ほったらかしでOK」という仕組みのほうが、忙しいパパ・ママには向いています。
学資保険との使い分けはどう考えるか
「学資保険に入っているけど、投資もするの?」という疑問も多いです。学資保険と投資信託は、性格がまったく異なります。
学資保険は「確実に受け取れる金額がほぼ決まっている」安心感がある一方で、返戻率(払った金額に対してもらえる金額の比率)は低めです。投資信託は「増える可能性が高いが元本割れもあり得る」という性格です。
どちらが正解かではなく、「守りの学資保険+攻めの投資信託」と役割を分けて考える家庭が増えています。学資保険で最低限の教育費を確保しつつ、NISAで追加の資産形成をする、というイメージです。ただし両方掛け持ちすると家計が厳しくなるケースもあるので、月々の支出の中で無理なく続けられる額に抑えることが最優先です。
口座の作り方と積立の始め方
「制度や商品は分かってきたけど、実際に始めるのは難しそう」と感じている方も多いと思います。でも手順はシンプルです。
まず親のNISA口座を開設する
子どもの教育費を目的とした投資を始めるには、まず親のNISA口座を開設することが第一歩です。NISA口座は証券会社か銀行で作れますが、投資信託の種類が豊富でスマホから手続きしやすいという点で、ネット証券(楽天証券・SBI証券など)を使っている人が多いです。
口座開設はオンラインで完結でき、マイナンバーカードや本人確認書類があれば申し込めます。審査が通れば1〜2週間程度で使えるようになります。
積立設定はシンプルに「自動化」してしまう
口座ができたら次は商品選びと積立設定です。ここで大事なのは「考えすぎて動けなくなること」を避けること。完璧な商品を探し続けるより、まず始めることのほうがずっと価値があります。
商品選びの基準は「全世界株式か米国株式に連動したインデックスファンドで、信託報酬が低いもの」という点だけ押さえておけば十分です。積立頻度は「毎月自動積立」に設定しておけば、あとは何もしなくても毎月自動で買い付けてくれます。忙しいパパ・ママにとって、この「自動化」の仕組みは本当に助かります。
積立額は「家計を圧迫しない金額」から始める
よくある失敗が「最初から気合を入れすぎて、生活が苦しくなって途中でやめてしまう」こと。私の友人にも、最初に月3万円の積立を設定して、半年後に解約した人がいます。
最初は月3,000円でも5,000円でも構いません。積立投資は途中で金額を増やすことができます。まず始めてみて、家計が安定してきたら少しずつ増額する、という方法が長続きするコツです。「完璧な金額より、続けられる金額」を選んでください。
子どもにお金の話を伝える機会にもなる
子どもの教育費を投資で準備することには、もうひとつの意味があります。それは「子どもにお金の話をするきっかけになる」ということです。
お金の教育は生活の中でしか身につかない
「お金のことは子どもに話すのは早い」と感じる方もいますが、実はお金の感覚は小学校低学年から少しずつ育てていけます。「このお金は将来のために少しずつ増やしているんだよ」と話すだけで、子どもはお金が「使うだけのもの」ではないことを感覚的に学べます。
投資の話を難しい言葉で説明する必要はありません。「みんなで出し合って会社を応援して、その会社が儲かったら少し分けてもらえる仕組みだよ」という程度で十分です。子どもが「じゃあ僕のお小遣いも増やせる?」と聞いてきたとしたら、それはすでに大事なお金の学びが始まっているサインです。
家族でお金の方針を話し合うきっかけにする
夫婦でお金の話をするのが苦手、という家庭も少なくありません。「うちは旦那がお金の話を嫌がって…」という声をよく聞きます。でも子どもの教育費という具体的な目標があると、話し合いを始めやすくなります。
「大学費用のために月1万円だけ積み立てたいんだけど、どう思う?」という切り出し方は、「投資しよう」と言うより受け入れられやすいです。抽象的な「お金の話」ではなく「子どもの未来への投資」という文脈にすると、パートナーも話に乗りやすくなります。
教育費の準備は、一人で抱え込まず家族で共有できると、続ける力になります。月1回、家計の状況を一緒に確認する「お金の日」を作っている家庭もあります。そういう習慣が、夫婦の育児方針のすり合わせにもつながっていきます。
子どもの将来のためにできることは、今日から始められます。完璧な準備が整ってから、ではなく、「まず一歩」が一番大切なことを、私自身の経験から強く感じています。あのとき動き出していてよかったと、きっと数年後に思えるはずです。
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