あなたの投稿、思わぬ人に見られているかもしれません
SNSに写真を投稿したり、日々の出来事をシェアしたりするのは、もはや日常の一部になっています。でも、ふと考えたことはないでしょうか。「この投稿、誰が見ているんだろう?」と。
実は、初期設定のままSNSを使い続けていると、自分が意図していない相手にまで情報が公開されていることがあります。知人や友人だけに見せているつもりの写真が、検索エンジンに引っかかっていたり、全くの見知らぬ人に閲覧されていたりするケースも珍しくありません。
「設定を変えたほうがいいとは思っているけど、どこをどう触ればいいかわからない」という方のために、SNSのプライバシー設定を見直すポイントを、具体的にお伝えします。難しそうに聞こえるかもしれませんが、一つひとつ順番に確認していくだけで大丈夫です。
そもそも「プライバシー設定」って何を守るためにあるの?
プライバシー設定とは、SNS上で「誰に何を見せるか」をコントロールする機能のことです。たとえるなら、家のカーテンのようなものです。カーテンを開けっぱなしにしていると、通りを歩く人全員から部屋の中が丸見えになってしまいますよね。プライバシー設定は、そのカーテンの開け具合を自分で調整する手段です。
SNSで守れる情報には、主に以下のようなものがあります。
- 投稿の内容(テキスト・写真・動画など)
- 友達・フォロワーのリスト
- プロフィール情報(居住地・職場・生年月日など)
- 過去の投稿履歴
- 位置情報やチェックイン履歴
これらが見知らぬ人に見えている状態を「公開設定になっている」と言います。逆に、特定の人だけに限定している状態が「非公開設定」や「友達限定」などと呼ばれます。
プライバシーの問題は、単に「恥ずかしい」というレベルの話ではありません。自宅の写真や日常の行動パターンが外部に漏れることで、ストーカー被害や空き巣被害につながったケースも実際に報告されています。だからこそ、一度しっかり見直しておくことが大切なのです。
まず確認したいのは「アカウントが公開か非公開か」
プライバシー設定の中でもっとも基本的かつ重要なのが、アカウント全体が「公開」になっているか「非公開(鍵アカウント)」になっているかです。
公開アカウントとは、インターネット上の誰でも——アカウントを持っていない人であっても——あなたの投稿を見られる状態のことです。一方、非公開アカウントに設定すると、あなたが承認したフォロワーだけが投稿を見られるようになります。
ビジネスや情報発信を目的としているなら公開設定も合理的ですが、プライベートな日常をシェアしているなら非公開設定を選ぶのが無難です。
Instagramの場合
プロフィール画面の右上にあるメニュー(三本線のアイコン)をタップし、「設定とプライバシー」を開きます。そこから「アカウントのプライバシー」を選ぶと、「非公開アカウント」をオンにするトグル(スイッチ)が表示されます。これをオンにするだけで、フォロワー以外からは投稿が見えなくなります。
X(旧Twitter)の場合
「設定とサポート」→「設定とプライバシー」→「プライバシーと安全」と進み、「ポストを非公開にする」にチェックを入れることで、承認したフォロワーだけに投稿を限定できます。
Facebookの場合
Facebookはやや複雑で、投稿ごとに公開範囲を設定できる反面、初期設定が「全員」になっている場合があります。「設定とプライバシー」→「プライバシー設定」から、「今後の投稿の公開範囲」を「友達」または「友達の友達」に変更しておきましょう。
見落としがちな「プロフィール情報」の公開範囲
アカウント全体の設定を変えても、プロフィールに書いた情報が別途公開されていることがあります。特に注意したいのが、生年月日・電話番号・職場・居住地などの個人情報です。
これらの情報は、フィッシング詐欺(偽のウェブサイトなどで個人情報を騙し取る詐欺の手口)や、なりすまし被害に悪用されるリスクがあります。「知っている人にだけ見せたい」という情報は、必ず公開範囲を「自分のみ」か「友達」に絞っておくことを強くおすすめします。
Facebookのプロフィール設定を確認する方法
自分のプロフィールページを開き、「プロフィールを編集」から各情報の横にある公開範囲アイコン(地球マークや人のアイコンなど)をタップすると、項目ごとに公開範囲を変更できます。電話番号や生年月日は「自分のみ」に設定しておくのが安全です。
「タグ付け」と「位置情報」は要注意
SNSを使っていると、友人から写真に「タグ付け」されることがあります。タグ付けとは、投稿の中に特定のアカウントを紐付ける機能のことで、タグ付けされた投稿はあなたのプロフィールにも表示されたり、あなたの友達に通知されたりします。
問題は、タグ付けを無断でされると、自分が知らない写真や状況が第三者に公開されてしまうことです。設定によっては、タグ付けされた投稿を自分のタイムラインに表示する前に「承認する」ステップを挟むことができます。
Facebookのタグ付けレビュー機能
「設定とプライバシー」→「プライバシー設定」→「タイムラインとタグ付け」と進むと、「タイムラインへの追加をレビューする」という項目があります。これをオンにしておくと、他の人があなたをタグ付けした投稿を自分のタイムラインに表示する前に確認・承認できるようになります。
位置情報の扱いにも気をつけて
SNSに投稿する写真には、「ジオタグ」と呼ばれる位置情報が埋め込まれていることがあります。スマートフォンのカメラで撮影した写真には、撮影場所の緯度・経度が自動的に記録される仕組みになっているためです。
自宅や職場で撮った写真をそのまま投稿すると、場所が特定されるリスクがあります。スマートフォンの設定から、SNSアプリの位置情報アクセスを「使用中のみ許可」や「許可しない」に変更しておくのが安心です。
iPhoneであれば「設定」→アプリ名→「位置情報」から変更できます。Androidでは「設定」→「アプリ」→対象アプリ→「権限」→「位置情報」の順で確認できます。
「検索されたくない」ならここも設定する
SNSのアカウントは、Googleなどの検索エンジンで名前を検索したときに表示されることがあります。「自分の名前で検索されたくない」「SNSと実生活を切り離したい」という方は、この設定も見直しておきましょう。
Instagramの検索設定
非公開アカウントに設定すれば、外部の検索エンジンからプロフィールが表示されにくくなります。ただし、アカウント名そのものは表示される場合があるため、本名をそのままユーザー名にするのは避けた方が無難です。
Facebookの検索設定
「設定とプライバシー」→「プライバシー設定」の中に「Facebookの外部での検索に、あなたのプロフィールへのリンクを表示する」という項目があります。ここを「いいえ」にすることで、Google等の検索結果にFacebookのプロフィールが出にくくなります。また、「メールアドレスや電話番号であなたを検索できる人」という設定も「友達」や「友達の友達」に絞っておくと安心です。
過去の投稿も見直しましょう
設定を変えても、過去の投稿はその当時の公開設定のままになっていることがあります。昔は気にせず投稿していた情報が、今見返すと「公開しすぎだった」と感じることもあるでしょう。
Facebookの「過去の投稿の公開範囲を制限する」機能
Facebookには、過去のすべての公開投稿を一括で「友達」限定に変更できる便利な機能があります。「設定とプライバシー」→「プライバシー設定」→「過去の投稿の公開範囲を制限する」を選ぶと、一度の操作で変更できます。個別に見直す手間が省けるので、まずここから始めるのもいい方法です。
Instagramの投稿を非表示・削除する方法
気になる投稿は個別に「アーカイブ」(自分だけが見られる状態に退避させる機能)するか、削除できます。投稿の右上にある「…」メニューから選択できます。非公開アカウントに変更すれば過去投稿もまとめて非表示になりますが、それでも個別の見直しをしておくと安心です。
アプリ連携も定期的に見直してください
SNSアカウントを使って別のアプリやウェブサービスにログインしたことはありませんか?「Facebookでログイン」「Googleでログイン」といった機能を使うと便利ですが、そのアプリには自分のSNSアカウントの情報へのアクセス権限が付与されています。
使わなくなったアプリや、怪しいと感じるサービスへの連携は、定期的に削除しておきましょう。
Facebookの連携アプリを確認する方法
「設定とプライバシー」→「設定」→「セキュリティとログイン」→「ログイン中の場所」の下にある「アプリとウェブサイト」から確認できます。一覧に見覚えのないアプリがあれば、アクセス権限を削除しておきましょう。
Instagramの連携アプリを確認する方法
「設定とプライバシー」→「セキュリティ」→「アプリとウェブサイト」から、連携しているアプリの一覧を確認・管理できます。
2段階認証は必ず設定しておく
プライバシー設定とあわせて、セキュリティの基本として欠かせないのが「2段階認証(2ファクター認証)」です。これは、パスワードだけでなく、ログイン時にスマートフォンに届く確認コードなど、もう一つの認証を組み合わせることで、不正ログインを防ぐ仕組みです。
パスワードが漏れてしまっても、2段階認証があれば不正ログインのリスクを大幅に減らせます。主要なSNSはすべて対応していますので、まだ設定していない方はぜひ今すぐ有効にしてください。
Instagram・X・Facebookいずれも「設定」→「セキュリティ」の中に「2段階認証」の項目があります。SMSで受け取るコードの他、「認証アプリ(Google AuthenticatorやAuthyなど)」を使う方法がよりセキュリティが高くおすすめです。
プライバシー設定は「一回やれば終わり」ではありません
SNSのアプリはアップデートによって仕様が変わることがあり、設定画面の構成や項目名が変わることもあります。また、SNS側がサービスの変更に伴い、デフォルト(初期設定)の公開範囲を変更することもあります。
半年に一度、あるいはスマートフォンを機種変更したタイミングなど、節目ごとに設定を見直す習慣をつけておくと安心です。「設定を確認する日」をカレンダーにメモしておくのも一つの方法です。
難しく考える必要はありません。今日この記事で確認したポイントを一つひとつ確かめるだけで、あなたのSNS上の情報はずっと安全になります。大切なのは、「設定は最初に一回やれば大丈夫」という思い込みを手放すことです。
自分の情報を守ることは、デジタル時代を安心して過ごすための、一番シンプルな自己防衛です。ぜひ今日、スマートフォンを手に取って、設定画面を開いてみてください。
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