「機種変更したいけど、写真や連絡先が消えたらどうしよう…」

スマホを新しくするときに、こういった不安を感じたことはありませんか?実際、機種変更のときに「LINEのトーク履歴が消えた」「写真が移せなかった」というトラブルは少なくありません。でも、正しい手順さえ知っていれば、データ移行は難しいものではないんです。

この記事では、機種変更の前日から当日、そして新しいスマホを使い始めるまでの流れを、わかりやすく丁寧に説明していきます。iPhoneとAndroid、どちらのパターンもカバーしているので、自分の状況に合わせて読み進めてみてください。

まず「データ移行」とは何をすることなのか

そもそもデータ移行とは、古いスマホに入っているさまざまなデータを、新しいスマホに引き継ぐ作業のことです。「引っ越し」に例えると、今の家にある荷物を新しい家へ運ぶ作業に相当します。

スマホの中には、大きく分けて次のようなデータが入っています。

  • 写真・動画
  • 連絡先(電話帳)
  • LINEのトーク履歴やスタンプ
  • アプリとその設定・ゲームデータ
  • カレンダーやメモ
  • 音楽・書類ファイル

これらをひとつひとつ確認しながら移していくのがデータ移行の作業です。「全部まとめてボタン一発で移れるの?」と思う方もいるかもしれませんが、残念ながら種類によって方法が異なります。ここが少し面倒に感じるポイントでもあるのですが、順番に対処すれば問題ありません。

機種変更の前日までにやっておくべきこと

データ移行で失敗する人の多くは、「当日いきなり始める」パターンです。事前準備をしっかりしておくことが、スムーズな引っ越しの鍵になります。

① バックアップを必ず取っておく

バックアップとは、スマホのデータをまるごとコピーして保存しておく作業です。万が一のときに「元に戻せる状態」にしておくための安全策だと思ってください。

iPhoneの場合
iPhoneには「iCloud(アイクラウド)」というApple公式のクラウドサービスがあります。クラウドとは、インターネット上のデータ保管場所のことです。iCloudを使えば、Wi-Fi(無線LAN)につながっている状態で自動的にバックアップが取れます。

設定アプリ →「自分の名前(Apple IDの名前)」→「iCloud」→「iCloudバックアップ」→「今すぐバックアップを作成」という手順で実行できます。バックアップが完了するまで数分〜数十分かかることもあるので、充電しながら行うのがおすすめです。

Androidの場合
Androidスマホは機種によって少し手順が異なりますが、基本的には「Googleアカウント」を使ったバックアップが中心になります。設定アプリ →「アカウント」または「クラウドとアカウント」→「バックアップ」という流れで確認・実行できます。

Googleアカウントとは、GmailやGoogle検索と同じアカウントのことです。持っていない場合は、この機会に作っておきましょう。

② LINEのバックアップを別途取っておく

LINEのトーク履歴は、iCloudやGoogleのバックアップには含まれないことが多いため、LINEアプリの中で別途バックアップを取る必要があります。これを知らずに機種変更してしまい、大切なトーク履歴が消えてしまったというケースが非常に多いので、絶対に忘れないでください。

LINEアプリ →「ホーム」→「設定(歯車アイコン)」→「トーク」→「トークのバックアップ」という手順で、バックアップを実行できます。

また、LINEの引き継ぎには「引き継ぎ設定」の有効化も必要です。同じ設定画面の中に「アカウント引き継ぎ設定」という項目があり、ONにしておくことで新しいスマホでLINEを復元できるようになります。引き継ぎ設定をONにしてから36時間以内に作業を完了させる必要があるので、当日の作業直前に有効化するのがベストです。

③ 重要なID・パスワードを確認しておく

新しいスマホでアプリを再設定するとき、さまざまなサービスのIDとパスワードが必要になります。メモ帳に書き出しておくか、パスワード管理アプリ(後述)に整理しておきましょう。特に確認しておきたいのは以下の3つです。

  • Apple ID(iPhoneの場合)またはGoogleアカウント(Androidの場合)
  • LINEに登録している電話番号とメールアドレス
  • よく使うアプリ(ネット銀行、決済サービスなど)のログイン情報

特にネット銀行やクレジットカードアプリは、機種変更時に本人確認が必要なものもあります。事前に各サービスの「機種変更時の手続き」ページを確認しておくと安心です。

iPhoneからiPhoneへ乗り換える場合の手順

iPhoneからiPhoneへの機種変更は、比較的スムーズに行えます。「クイックスタート」という機能を使えば、ほぼ自動でデータを移行できるからです。

クイックスタートを使った移行

クイックスタートとは、古いiPhoneと新しいiPhoneを近づけるだけで、設定やデータをほぼ丸ごと引き継げる機能です。

手順は次の通りです。

  1. 新しいiPhoneの電源を入れる
  2. 古いiPhoneを近くに置くと、画面に「新しいiPhoneを設定」という案内が表示される
  3. 古いiPhoneのカメラで新しいiPhoneの画面に表示されたアニメーション(光の渦のような模様)を読み取る
  4. 画面の指示に従って進める
  5. iCloudのバックアップからデータを復元する

復元中はWi-Fiに接続した状態で充電しながら待ちましょう。データ量によっては1時間以上かかることもあります。

AndroidからAndroidへ乗り換える場合の手順

Androidスマホ同士の乗り換えでは、「Googleアカウントのバックアップ」と「専用の移行アプリ」の2つが主な手段になります。

Googleアカウントを使った復元

新しいAndroidスマホを起動したとき、セットアップ画面でGoogleアカウントにログインする手順があります。ここで古いスマホと同じGoogleアカウントでログインすれば、連絡先やカレンダー、一部のアプリデータが自動で引き継がれます。

メーカー独自の移行アプリを使う

SamsungやXiaomiなどのメーカーは、独自のデータ移行アプリを用意していることがあります。たとえばSamsungなら「Smart Switch(スマートスイッチ)」というアプリを使えば、ケーブルやWi-Fiを通じてより多くのデータを一括移行できます。使っているメーカーの公式サポートページを確認してみましょう。

iPhoneとAndroidをまたいで乗り換える場合

iPhoneからAndroid、またはAndroidからiPhoneへの乗り換えは、同じOS(オペレーティングシステム=スマホを動かす基本ソフト)間の移行と比べると、少し手間がかかります。

AndroidからiPhoneへの場合

Appleが公式に提供している「iOSに移行(Move to iOS)」というAndroid向けアプリを使うと、写真や連絡先などを比較的スムーズに移せます。新しいiPhoneのセットアップ中に表示されるコードをAndroidのアプリで入力するだけなので、難しい操作は不要です。

iPhoneからAndroidへの場合

この方向は少し手間がかかります。写真はiCloudからダウンロードしてGoogleフォトへアップロードする、連絡先はiCloud経由でvCard形式(連絡先データのファイル形式)でエクスポートしてGoogleアカウントにインポートする、といった作業が必要になります。

ただし、Googleフォトはあらかじめ古いiPhoneにインストールしてバックアップしておけば、写真の移行はかなり楽になります。機種変更を決めた時点からGoogleフォトを使い始めておくとよいでしょう。

移行後に確認しておきたいポイント

新しいスマホにデータが移ってきたら、以下の項目をひとつずつ確認しましょう。これを怠ると、後から「あれが移ってなかった!」と気づいてパニックになりがちです。

① 写真・動画が全部あるか確認する

フォトライブラリを開いて、古いスマホに入っていた写真と枚数を比べてみましょう。完全に一致していれば問題ありません。もし足りない場合は、iCloudやGoogleフォトから再ダウンロードできることが多いです。

② LINEが正常に引き継がれているか確認する

LINEを起動してログインし、トーク履歴が復元されているか確認します。スタンプも引き継がれているかチェックしておきましょう。購入済みのスタンプは「スタンプショップ」→「保有スタンプ」から再ダウンロードできます。

③ 決済・銀行アプリの再設定をする

PayPayや楽天ペイなどのスマホ決済アプリ、ネット銀行のアプリは、機種変更後に再ログインや本人確認が必要なケースがほとんどです。古いスマホを手放す前に、新しいスマホでこれらのアプリが使えることを確認しておいてください。

特にネット銀行は手続きに時間がかかることもあるので、急ぎの振り込みなどの予定がある場合は、機種変更のタイミングを考えたほうが安心です。

④ 2段階認証アプリの移行を忘れずに

2段階認証とは、ログイン時にパスワードに加えてワンタイムパスワード(一定時間で変わる数字)を入力するセキュリティの仕組みです。「Google認証システム」や「Microsoft Authenticator」などのアプリを使っている場合、これらの設定を新しいスマホに移行していないと、ログインできなくなってしまいます。

Google認証システムは、アプリ内に「アカウントのエクスポート」機能があるので、古いスマホのうちにQRコードを表示させ、新しいスマホで読み取るという手順で移行できます。このステップは見落としがちなので、特に注意してください。

古いスマホを手放す前の最終確認

データ移行が完了し、新しいスマホで全部のデータが使えることを確認できたら、いよいよ古いスマホを手放す準備です。このとき、必ず「初期化(工場出荷状態へのリセット)」を行いましょう。

初期化とは、スマホのデータをすべて消去して、購入直後の状態に戻す操作のことです。下取りや売却・譲渡をする場合は特に重要で、これを怠ると個人情報や写真が他人に見られてしまうリスクがあります。

iPhoneの場合:設定 →「一般」→「転送またはiPhoneをリセット」→「すべてのコンテンツと設定を消去」

Androidの場合:設定 →「一般管理」または「システム」→「リセット」→「工場出荷状態へのリセット」

初期化する前に、「新しいスマホで本当に全部使えるか」を最終確認してから実行するのが鉄則です。一度初期化したデータは、基本的に元に戻せません。

データ移行を楽にするために日頃からできること

「次の機種変更のときはもっとスムーズにしたい」という方に向けて、日常的にやっておくと便利な習慣もお伝えします。

まず、写真はGoogleフォトかiCloudに自動バックアップする設定にしておくことをおすすめします。これだけで、機種変更時の写真移行の手間がほぼゼロになります。

次に、パスワードはスマホのパスワード管理機能(iPhoneなら「パスワード」アプリ、AndroidならGoogleパスワードマネージャー)で管理しておくと、機種変更後のログインがスムーズになります。手帳に手書きするよりはるかに安全で便利です。

そして、LINEのバックアップは自動バックアップの設定をONにしておきましょう。LINEアプリの設定画面で「定期バックアップ」を有効にすると、1日1回や週1回など自動で保存してくれるので、機種変更直前に慌ててバックアップを取らなくても済みます。

一度やれば、次はもっと楽になります

スマホのデータ移行は、初めてだと「何から手をつければいいのかわからない」という状態になりがちですが、順番さえ押さえておけば誰でもできる作業です。

大切なのは「事前のバックアップ」と「LINEの引き継ぎ設定」の2点を絶対に忘れないこと。これだけでも、よくあるトラブルの大半は防げます。

機種変更は「面倒くさいもの」ではなく、「新しいスマホ生活を気持ちよくスタートするためのセットアップ」です。今回の手順を手元に置きながら、落ち着いて進めてみてください。きっとスムーズに移行できますよ。

Photo by Johannes Plenio on Unsplash