夜泣きも離乳食も、わたしが「正解をやめた」話
夜中に何度も起こされて、翌朝ボロボロのまま離乳食を作る。なのに食べない。「何かやり方が間違っているのかな」と思い始めると、検索が止まらなくなります。
育児書と現実が合わなくて途方に暮れたとき、わたしが気づいたのは「正解を探すことをやめる」という選択でした。これは諦めではなく、もっと地に足のついた向き合い方への転換です。
夜泣き・離乳食・トイトレと、乳幼児期の「三大しんどいもの」について、うちでやってみたこと、うまくいったこと、いかなかったことを書きます。
結論
夜泣き・離乳食・トイトレの三つに共通するのは「月齢の目安はあるが、子どもの個人差が大きい」という事実です。月齢どおりに進まなくても、多くのケースでは時間が解決します。焦って詰め込むより、「今日はここまで」で切り上げる判断が、長く続けるコツでした。
夜泣きは「直すもの」ではないと気づくまで
生後6か月ごろ、夜泣きが激しくなりました。それまでの「起きるけどすぐ寝る」から、「抱いても泣き続ける、置いたら泣く、背中スイッチ即発動」に変わった時期です。
昼間の疲れと眠れない夜が重なって、夜中の2時に「何が原因なのか」を延々と調べていました。「寝室の温度が悪い」「スケジュールがずれている」「寝かしつけの方法が間違っている」。読むたびに「自分のせいかもしれない」という気持ちが積み上がっていきました。
結論を先に書きます。夜泣きの多くは、生理的な発達の一過程です。
厚生労働省の「乳幼児身体発育調査」(2010年)でも示されているように、生後6か月前後は脳や神経の発達が急速に進む時期です。睡眠サイクルが変化し、夜中に覚醒しやすくなるのはごく一般的な現象とされています。「何かが間違っているから泣く」のではなく、「発達の途中だから起きる」という理解に切り替えると、夜中の対応が少し楽になりました。
わたしがやめたのは「夜泣きゼロを目指すこと」です。代わりに「1回の対応を短く終わらせること」に集中しました。抱いてあやすのは5分以内、その後添い寝で背中をトントン、それ以上やらない。泣いていても部屋を出る。全員が満足する答えはなかったけれど、「もう諦めた」ではなく「今日はこれで終わり」と決めるだけで、翌朝の気持ちの立ち直り方が変わりました。
補足
「セルフソーシング法」「ファーバー法」など、海外では就寝トレーニングの研究が複数あります。ただし文化的背景や月齢によって向き不向きが異なるため、試す場合はかかりつけの小児科医に相談してから判断することをおすすめします。万能な方法は現時点では存在しません。
夜泣きがピークを過ぎたのは、うちの場合は1歳2か月ごろでした。解決策があったというより、自然に落ち着いた、という感覚に近いです。
離乳食、「食べさせる」から「出す」に変えた
生後5〜6か月から始める離乳食。最初は丁寧に裏ごしして、温度を確認して、スプーンで少しずつ。それが1か月経っても「ちょっとしか食べない」になると、段々と「このペースで大丈夫なのか」という不安が来ます。
7倍粥をしっかり食べてほしいのに、口から出す。野菜を混ぜると食べない。豆腐だけは好きだけどそれ以外は顔をしかめる。こういう毎日が続くと、「食事=闘い」になっていきます。
転換になったのは、栄養士さんから言われた一言でした。「1歳までは練習だから、量はそんなに気にしなくていい」というものです。
実際、厚生労働省が策定した「授乳・離乳の支援ガイド」(2019年改定版)には、「離乳食は食べることへの興味・意欲を育てる過程」という考え方が示されています。摂取量の目安はあっても、それを毎回達成することが目的ではない、ということです。
わたしはそれから「食べさせる」という意識を手放して、「テーブルに出す」に変えました。食べても食べなくてもいい。ただ、出す。口に入れさせようとするのをやめたら、逆に子どもが自分でスプーンに興味を持ち始めました。
離乳食でやめてよかったこと・続けてよかったこと
- 【やめた】毎食の摂取量を記録してノルマ管理する
- 【やめた】嫌がる食材を毎回無理に混ぜる
- 【続けた】食材の種類だけ毎週1〜2種類ずつ増やしていく
- 【続けた】大人の食事時間に合わせて、一緒にテーブルに座らせる
- 【続けた】食べなかった日でも、母乳・ミルクで補う判断をする
食べる量より「食事の時間が楽しい」という体験の積み重ねが、結果的には偏食を緩やかに減らしてくれたと感じています。食べない日が続いても、体重が成長曲線の範囲内であれば(これはかかりつけ医に確認を)、過度に心配しなくていいケースが多いです。
トイトレは「2歳になったら」ではなかった
トイレトレーニングについては、「2歳すぎたら始める」というイメージが先行していました。実際、周りのママたちも2歳の誕生日前後に補助便座を買い始める人が多かったです。
2歳になった月に補助便座を出しました。最初の1週間は座ることを嫌がり、2週間目には「トイレ行く?」と聞くだけで「やだ」と泣くようになりました。
そこでいったん全部やめました。補助便座を押し入れにしまって、声かけもなし。1か月半後に再開したら、あっさり座るようになりました。
後で知ったのですが、トイトレの開始サインとして「おしっこの間隔が2時間以上空く」「濡れたことを教える」「大人のトイレ行動に興味を示す」などが挙げられています(参考:日本小児泌尿器科学会のガイドライン的な基準として、小児科領域では月齢より発達サインを重視する考え方が広まっています)。
月齢ではなく、子どもの準備が整っているかどうか、です。2歳3か月でも3歳2か月でも、子どもによって違います。「遅い」と焦る必要はなく、発達の個人差として受け取っていいと思います。
失敗してもおむつに戻せばいい。「また最初からか」ではなく「もう少し待つだけ」と解釈するだけで、トイトレ期間の親のストレスはかなり違います。
「正解を探す検索」が減ったとき、少し楽になった
夜泣き・離乳食・トイトレを通じて、わたしが一番変わったのは「情報を探す量」です。
最初の1人目のとき、何かあるたびに検索していました。夜泣きの原因、食べない理由、トイトレが進まない対処法。ヒットするのは「〇〇をやれば解決」系の記事ばかりで、やってみてうまくいかないと「自分が下手なのか」と感じる繰り返しでした。
気づいたのは、検索で出てくる情報の多くが「平均的な子ども」を前提にしているという点です。でも目の前にいるのは平均ではなく、この子です。
日本小児科学会が推奨する「かかりつけ医を持つこと」の意義はここにあると思います。健診のたびに同じ医師に診てもらうことで、うちの子の個別の発達曲線を見てもらえる。「平均より少し遅いけど伸びは順調」という判断は、インターネットの記事ではなく、継続的に診てもらっているかかりつけ医だけが言えることです(参考:日本小児科学会 かかりつけ医について)。
インターネットの情報が無駄とは思いません。でも「うちの子に当てはまるか」は、別の話です。心配なときは検索より小児科、という基準を持つだけで、夜中の不安な検索が減りました。
※本記事は2026-06-09時点の情報に基づきます。制度・サービスは変更されることがあります。
育児に正解はありません。本記事の体験は一例で、お子さんやご家庭の状況に合わせて参考にしてください。
焦らなかった月日が、今になって思えば近道だった
- 夜泣きは「直す」ものではなく、発達の一過程として受け取ると、夜中の自分の消耗が少し変わる
- 離乳食は「食べさせる量」より「食事の時間を嫌いにさせない」を優先するほうが長い目で見て効果的なケースが多い
- トイトレは月齢より発達サインを見て始めるほうが、トータルの期間が短くなることがある
完璧にはできませんでした。夜中にイライラしたし、離乳食を全部捨てた日もあったし、トイトレを3回くらいリセットしました。
それでもここまで来られたのは、「今日はもう終わり」と決めることを繰り返したからだと思っています。明日また始めればいい。今日のうちに解決しなくてもいい、という選択を、何度も自分に許しました。
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