「昨日まで普通に使えていたのに、今日は起動するだけで5分かかる…」そんな経験、ありませんか?
PCが遅くなるのは、決して珍しいことではありません。むしろ、ほとんどの人が一度は経験することです。でも「なぜ遅くなるのか」「何をすれば速くなるのか」を知っている人は意外と少ないんです。
この記事では、PCが遅くなる本当の理由から、今日すぐ試せる対処法まで、順を追って説明していきます。難しい操作は一切ありません。ぜひ最後まで読んでみてください。
まず「なぜ遅くなるのか」を知っておこう
対処法を試す前に、少しだけ仕組みを理解しておきましょう。原因がわかれば、対処法もすんなり頭に入ります。
PCが遅く感じる原因は、大きく分けると「メモリ不足」「ストレージの問題」「バックグラウンドで動くプログラムの多さ」「ハードウェアの劣化」の4つに集約されます。
メモリとは「作業台の広さ」のこと
メモリ(RAM)とは、PCが今まさに処理している作業を一時的に置いておくスペースのことです。料理に例えると「調理台の広さ」にあたります。調理台が広ければ複数の食材を並べて効率よく調理できますが、狭いと一つひとつしか作業できません。
ブラウザのタブを10個以上開いたり、動画を見ながらExcelを使ったりすると、この「調理台」があっという間に埋まってしまい、PCがもたつき始めます。
ストレージは「倉庫の整理状況」
ストレージ(HDDやSSD)はデータを長期保存する場所です。こちらは「倉庫」にあたります。倉庫がものだらけで足の踏み場もない状態だと、必要なものを探し出すのに時間がかかりますよね。PCも同じで、空き容量が少なくなると動作が著しく遅くなります。
バックグラウンドプログラムの問題
PCを使っているとき、画面に表示されていないのに裏でこっそり動いているプログラムがたくさんあります。これをバックグラウンドプログラムと呼びます。セキュリティソフト、自動更新プログラム、クラウドの同期ソフトなどがその代表例です。これらが大量に動いていると、本来使いたいアプリへの処理能力が削られてしまいます。
今すぐ試せる!PCを速くするための対処法
原因がわかったところで、具体的な対処法を見ていきましょう。難易度の低いものから順に紹介します。
①まず再起動してみる(超基本だけど効果大)
「そんなこと?」と思うかもしれませんが、再起動は本当に効果があります。
PCを長時間使い続けると、メモリに不要なデータがどんどん溜まっていきます。再起動することでメモリがリセットされ、まっさらな状態から動き始めます。「スリープ」や「休止状態」では解決しません。必ず「シャットダウン→電源を入れ直す」という完全な再起動を行ってください。
週に1〜2回の再起動を習慣にするだけで、体感速度がかなり変わることもあります。
②不要なファイルを削除してストレージを空ける
ストレージの空き容量が全体の10〜15%を下回ると、PCはかなり遅くなります。まず現在の空き容量を確認してみましょう。
Windowsの場合は「エクスプローラー」を開いて「PC」をクリックすると、各ドライブの使用状況が棒グラフで表示されます。Macの場合は「Appleメニュー」→「このMacについて」→「ストレージ」で確認できます。
空き容量が少ない場合は、以下を削除・整理しましょう。
- ダウンロードフォルダの中身(古いファイルやインストーラーが大量に溜まっていることが多い)
- もう見ない動画や写真(クラウドに移してPCからは削除する方法もあります)
- 使っていないアプリ・ソフトウェア
- ゴミ箱の中(削除したファイルはゴミ箱を空にするまでストレージを占有し続けます)
③Windowsの「ディスククリーンアップ」を使う
Windowsには「ディスククリーンアップ」という、不要なファイルをまとめて削除してくれる便利な機能があります。
使い方はとても簡単です。スタートボタンの横にある検索欄に「ディスククリーンアップ」と入力して検索し、出てきたアプリを開きます。Cドライブを選択して「OK」を押すと、削除できるファイルの一覧と容量が表示されます。「システムファイルのクリーンアップ」も一緒に行うと、Windowsの更新ファイルなども削除でき、より多くの容量を確保できます。
Macの場合は「ストレージの最適化」機能があり、iCloudを活用して古いファイルを自動的にクラウドへ移動してくれます。
④起動時に自動で立ち上がるアプリを減らす
PCを起動したとき、気づかないうちに大量のアプリが自動で立ち上がっています。これを「スタートアップ」と呼びます。スタートアップが多いほど、起動に時間がかかりますし、起動後もバックグラウンドで動き続けてPCを重くします。
Windowsでの確認方法はこうです。キーボードの「Ctrl」「Shift」「Esc」を同時に押して「タスクマネージャー」を開きます。「スタートアップ」タブをクリックすると、起動時に自動で立ち上がるアプリの一覧が表示されます。「状態」が「有効」になっているもののうち、使わないアプリや不要なものを右クリックして「無効化」しましょう。
「これを無効にして大丈夫?」と不安に思うかもしれませんが、スタートアップをオフにしてもアプリ自体が削除されるわけではありません。必要なときに手動で起動できますし、また有効に戻すことも可能です。
Macの場合は「システム設定」→「一般」→「ログイン項目」から同様の設定ができます。
⑤ブラウザのタブを整理する
Google ChromeやEdgeなどのブラウザは、タブを開けば開くほどメモリを消費します。「あとで読もう」と思って20個も30個もタブを開いたままにしている方は要注意です。
「でも後で見返したいから閉じたくない…」という気持ちはよくわかります。そんなときは、ブックマーク(お気に入り)に保存してからタブを閉じる習慣をつけましょう。または「OneTab」のような、開いているタブを一覧にまとめてくれる拡張機能(ブラウザに追加できる小さなプログラム)を使うのもおすすめです。
⑥ウイルス・マルウェアの感染を疑う
PCが急激に遅くなった場合、コンピュータウイルスやマルウェア(悪意を持ったプログラムの総称)に感染している可能性もあります。これらは気づかないうちにバックグラウンドで動き、CPU(PCの頭脳にあたる部品)やメモリをフル稼働させることがあります。
Windowsには標準で「Windows セキュリティ」というウイルス対策ソフトが搭載されています。スタートメニューから「Windows セキュリティ」を開き、「ウイルスと脅威の防止」→「クイックスキャン」を実行してみましょう。定期的なスキャンを習慣にすることが大切です。
⑦電源プランを「高パフォーマンス」に変更する(Windows)
Windowsには「電源プラン」という設定があります。これはバッテリーの節約と処理速度のバランスを調整するものです。デフォルト(初期設定)では「バランス」になっていることが多く、省エネのためにCPUの速度が抑えられていることがあります。
コンセントに繋いで使うデスクトップPCや、電源を接続して使う場面では「高パフォーマンス」に変更することで速度が改善する場合があります。設定方法は、スタートメニューで「電源プラン」と検索し、「電源プランの選択」から変更できます。
それでも遅い場合に考えること
ここまでの対処法を試しても改善しない場合、より根本的な問題が潜んでいる可能性があります。
PCの使用年数を確認する
PCのパーツは消耗品です。特に記憶装置のHDD(ハードディスクドライブ)は機械的に動く部品があるため、5〜7年ほど使うと劣化して速度が低下します。SSD(ソリッドステートドライブ)はHDDより長持ちしますが、それでも経年劣化はあります。
使用年数が7年を超えているPCであれば、対処法でできることには限界があります。買い替えを検討する時期かもしれません。
メモリの増設を検討する
PCのメモリは増やすことができる場合があります(機種によっては不可)。現在のメモリが4GBのPCであれば、8GBや16GBに増設することで劇的に速くなることがあります。
ただし、自分でメモリを増設するのが不安な場合は、パソコン専門店や家電量販店のサポートカウンターに相談することをおすすめします。費用はかかりますが、PCに詳しいスタッフが対応してくれるので安心です。
HDDからSSDへの換装という選択肢
古いPCでHDDを搭載しているものは、SSDに交換(換装)するだけで起動時間が劇的に短縮されます。HDDは「回転するディスク」でデータを読み書きする仕組みですが、SSDはフラッシュメモリを使うため、読み書き速度がHDDの数倍〜数十倍も速いのです。
「HDDからSSDへの換装」はPCの延命策として非常に効果的で、費用も1〜2万円程度で済むことが多いです。ただし、これも作業に不安がある場合は専門店に依頼するほうが安全です。
日常的に意識したい「PCを遅くしないための習慣」
対処法を実践するのと同じくらい大切なのが、日頃からPCを重くしない使い方を心がけることです。
定期的な再起動を習慣にする
繰り返しになりますが、週に1〜2回の再起動は本当に効果があります。「電源を落とすのが面倒」という気持ちはわかりますが、これだけで体感速度が大きく変わります。
ストレージの空き容量を20%以上確保する
ストレージは「満タン近く」になると極端に遅くなります。ダウンロードフォルダを月に一度チェックして、不要なファイルを削除する習慣をつけましょう。写真や動画はクラウドストレージ(GoogleドライブやiCloudなど、インターネット上にデータを保存できるサービス)に移すのも有効です。
Windowsのアップデートを溜めない
「アップデートは面倒…」と後回しにする方も多いですが、更新を溜めると、たまったアップデートが一気に処理されるタイミングでPCが急激に遅くなることがあります。定期的にアップデートを済ませておくと、PCの動作も安定します。
使っていないアプリはこまめに削除する
「いつか使うかも」と残しているアプリが、バックグラウンドで動いていたりストレージを圧迫していたりすることがあります。半年以上使っていないアプリは、思い切って削除してしまいましょう。再び必要になったらインストールし直せばいいだけです。
対処法を実践する順番のまとめ
「どれから試せばいいかわからない」という方のために、試す順番を整理します。
- まず完全に再起動する
- ブラウザのタブを整理し、不要なものを閉じる
- ゴミ箱を空にし、ダウンロードフォルダを整理する
- ディスククリーンアップを実行する
- スタートアップの不要なアプリを無効化する
- ウイルススキャンを実行する
- 改善しなければ電源プランや使用年数を確認し、専門店に相談する
一番上から順に試していくだけで、多くの場合は体感速度が改善します。難しい操作は一つもありません。
PCが遅いことに慣れてしまうと「こういうものだ」と思い込んでしまいがちです。でも実は、少しのメンテナンスで驚くほど速くなることも珍しくありません。ぜひ今日から試してみてください。
Photo by Ashish Sangai on Unsplash